光照射の肥満細胞顆粒放出抑制作用におけるカルシウム動態とフリーラディカル生成
Project/Area Number |
15790595
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Dermatology
|
Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
森 志朋 岩手医科大学, 医学部, 助手 (70337153)
|
Project Period (FY) |
2003 – 2005
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
|
Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Keywords | カルシウム / 肥満細胞 / フリーラディカル / 腹腔肥満細胞 / アクチンフィラメント / 細胞内骨格 / 顆粒放出 / 共焦点レーザー顕微鏡 / 光照射 |
Research Abstract |
【目的】ラット腹腔肥満細胞を用いて、UV照射による顆粒放出動態のメカニズムを解明する。 【方法】すでに確立したラット腹腔肥満細胞による細胞内カルシウムイオン濃度([Ca^<2+>]_i)動態と、顆粒放出の同時イメージング法を用いた。採取した肥満細胞標本を、(1)UV非照射群、(2)UVA(長波長紫外線320nm-400nm)照射群、(3)UVB(中波長紫外線290-320nm)照射群の3群に分け、照射群については、エネルギー量(0.3,0.9J)を変え紫外線を照射した。カルシウム感受性色素(FLUO-4)や、フリーラディカル感受性色素(DCF、DAF-2DA)を負荷し、紫外線照射が[Ca^<2+>]_i変動に及ぼす影響や、放出された顆粒を可視化するため、肥満細胞外に放出顆粒染色性色素のSulforhodamine-B (SFRM-B)を添加した。顆粒放出刺激にはcompound48/80を用いた。それぞれの標本での顆粒放出動態および[Ca^<2+>]_i変動を共焦点レーザースキャン顕微鏡LSM5 PASCAL, LSM510-V3.0 (Carl Zeiss社製)を用いて観察した。 【結果】(1)UV非照射群では、肥満細胞をCompound48/80で刺激すると[Ca^<2+>]_iの上昇に伴い顆粒放出が生じた。(2)UVA照射群では、[Ca^<2+>]_iの上昇はみられるものの、顆粒放出は抑制傾向にあった。[Ca^<2+>]_iの上昇スピードは0.3J照射群に比べ0.9J照射群で遅延した。ただし、NO上昇、フリーラディカル生成は確認出来なかった。(3)UVB照射群でも、UVA照射群と同様に顆粒放出は抑制傾向にあり、[Ca^<2+>]_iの上昇スピードは0.3J照射群に比べ0.9J照射群で遅延した。NO上昇、フリーラディカル生成は確認出来なかった。 【展望】UVA照射やUVB照射などの光線療法は、皮膚科領域では欠かすことの出来ないテーマであり、現在もアトピー皮膚炎や乾癬、脱毛症などの様々な皮膚科疾患で行われている。しかし、そのメカニズムは明確でない。光による生体組織への影響というメカニズムの解明に伴い、今後、更なる有効な治療の開発や、様々な光線療法の改良に繋がることが期待される。
|
Report
(3 results)
Research Products
(5 results)