Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Research Abstract |
平成15年度の研究において,in vitroでTh1・Th2に分化させた細胞の,CLA及びケモカインレセプタのCCR4の発現と共に,E-セレクチンへの結合能(E-セレクチンリガンド,ESLの発現)について研究し,Th1・Th2細胞の分化に依存しないESLの発現について新たな知見を得たが,本年度はこの結果を元に,Th1あるいはTh2細胞ではないnon-polarized Th cellにおけるCCR4及びESLの発現が,Th1-rich及びTh2-richなサイトカイン環境下でどのように発現するのかを調べた結果,新たな知見を得た。 1.non-polarized Th細胞をIL-12存在下で刺激した時,CLAの発現と同様にESLの持続的な発現を示したが,CCR4は検出できなかった。対照的に,IL-4存在下で刺激した場合,CLA発現は消失したがCCR4の発現が誘導され,ESLの発現は維持されていた。すなわち,Th1/Th2細胞を含め,non-polarized Th細胞自身の分化ではなく細胞周囲のサイトカイン環境によってESLやCCR4の発現がコントロールされていることを,本研究によってより確かにした。 2.ESLの発現を制御する糖転移酵素はfucosyltransferase(FucT)VIIが重要な働きを担っているが,別の酵素であるFucT-IVもESLの発現を制御することがわかっている。ところが,どのように酵素が誘導されてESLの発現の制御を行っているのかはわかっていない。そこでFucT-VII及びFucT-IVを発現しているトランスフェクタントを樹立して実験を行った。両トランスフェクタントのESL及びCLAの発現をフローサイトメトリー測定し,さらにデジタルビデオ顕微鏡撮影装置で形態学的観察を行った結果,FucT-VIIトランスフェクタントはESLとCLAの両者を発現していたが,FucT-IVトランスフェクタントはCLAを発現せずESLのみ発現していた。この所見は,Th細胞をIL-12存在下で培養した場合はFucT-VIIトランスフェクタントと,また,Th細胞をIL-4存在下で培養した場合はFucT-IVトランスフェクタントの実験結果と同一の結果を示しており,大変興味深い実験結果を得ることができた。
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