Project/Area Number |
15790600
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Dermatology
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
和田 直子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50306776)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | デスモグレイン3 / 天疱瘡 / 胸腺 / 胸腺上皮細胞 / 免疫寛容 / 自己免疫性疾患 / 抹消抗原 / 蛍光抗体法 / 末梢抗原 |
Research Abstract |
前年度我々は野生型マウス胸腺においてデスモグレイン3(Dsg3)が少数の胸腺上皮細胞に発現していることを示した。今年度さらに以下の結果を得た。 1.胸腺においてDsg3を発現する細胞は胸腺の皮髄境界付近に存在する髄質胸腺上皮細胞:medullay thymic epithelial cell(mTEC)である。 野生型マウス胸腺組織切片を抗Dsg3抗体で染色し、組織学的にDsg3陽性細胞の局在を検討したところ、Dsg3陽性細胞は胸腺髄質の皮髄境界部付近に存在するmTECであることがわかった。 2.Dsg3を発現するmTECは他のデスモゾーム構成タンパクであるDsg1、desmoplakinも同時に発現する。 抗Dsg3抗体および、抗Dsg1抗体、抗desmoplakin抗体を用いた二重染色の結果、Dsg3陽性である同一の細胞が、Dsg1、desmoplakinともに陽性であった。 3.Dsg3を発現するmTECはデスモゾームに関連のない他の末梢抗原をも同時に発現する。 抗Dsg3抗体および、prostate specific antigen, renin, S-100,carcingembryonic antigenのそれぞれに対する特異的抗体による二重染色の結果、Dsg3陽性細胞は同時にこれらの末梢抗原もともに陽性であった。 4.Dsg3を発現するmTECの周囲にはCD4^+8^-細胞が存在する。 胸腺は多数の幼弱なリンパ球が自己非自己の教育を受ける場であるが、リンパ球マーカー染色の結果、Dsg3陽性細胞周囲の細胞はCD4^+8^-細胞であることがわかった。 以上より胸腺においてDsg3は、通常同一の細胞が発現することのない様々な末梢抗原とともに少数のmTECに発現しており、その周囲のリンパ球は、より成熟したCD4^+8^-細胞であることがわかった。これらの結果から胸腺におけるDsg3は、Dsg3に対する免疫寛容を誘導するために発現している可能性が示唆された。
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