薬理遺伝学的特性に基づいた治療脱落例早期検出によるオーダーメイドうつ病治療の研究
Project/Area Number |
15790620
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Psychiatric science
|
Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
廣兼 元太 滋賀医大, 医学部, 助手 (10346025)
|
Project Period (FY) |
2003 – 2005
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
|
Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Keywords | うつ病 / 選択的セロトニン再取込み阻害薬 / 副作用 / serotonin transporter / 遺伝子多型 / 薬理遺伝学 / オーダーメイド治療 / 脱落例 |
Research Abstract |
本年度は、paroxetineを内服中のうつ病患者57名を対象にparoxetine (PAX)による消化器系副作用に及ぼすserotonin transporter遺伝子のintron 2のvariable number of tandem repeats (VNTR)多型、serotonin 2A receptor遺伝子の-1438A/G多型の影響を検討した。嘔気・胃痛、便秘、下痢といった消化器系副作用が出現した群(14名)と副作用を認めなかった群(33名)の両群間で、性別や年齢、PAXの用量、PAX血漿濃度に有意差はなかったが、intron 2のVNTR多型の10型アレルの保有個体では、消化器系副作用の出現頻度は7例中0だったのに対し、10型アレルを保有しない個体での頻度は37例中13例(約35%)であり、カイニ乗検定で10型アレルの有無により消化器系副作用の出現頻度に差がある傾向(P=0.062)が見られた。今回の検討では、serotonin 2A receptorの-1438A/G多型による消化器系副作用の出現頻度の差は見られなかった。PAXによる副作用出現へのこれら多型の関与についてさらに検討が必要である。次に、以前PAX20mg投与にてうつ病は改善したが、せん妄を呈した症例のうつ病再発に対し、前回有効だったPAXをごく少量の5mgより開始、10mgに漸増しながらPAX血漿中濃度を測定したところ、PAX10mg投与1週目では34.6ng/mlに対し、4週目では59.6ng/mlと約1.7倍の濃度上昇を認めた。今回重篤な副作用は見られなかったが、投与継続により同一用量でも血漿濃度が上昇する特異な薬物動態の可能性が示唆され、引き続き検討が必要と考えられた。なお、いずれの研究も参加に先立ち、説明の上書面にて同意が得られた患者を対象に行われた。
|
Report
(2 results)
Research Products
(3 results)