Project/Area Number |
15790635
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Psychiatric science
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
大沼 徹 順天堂大学, 医学部, 講師 (10286734)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2004: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 精神分裂病 / 統合失調症 / グルタミン酸 / 遺伝子多型 / グルタミン酸合成酵素 |
Research Abstract |
平成17年度は、平成18年1月末日までに276例の統合失調症患者、および274例の健常対照者のgenomi cDNAを確保した。疾患群は当院精神神経科を受診する統合失調症患者、対照群は医局員および病院関係者で、統合失調症に罹患していないものである。本年度は、2種類のグルタミン酸合成酵素(glutaminase1,2;GLS1,GLS2)の遺伝子多型、GLS1では8SNPs、GLS2では5SNPsをTaqman Probe法にて解析し、case-control association studyを行った。その結果、解析したどのSNPsおよびそのhaplotypeも統合失調症の発症危険因子としての関連性は認められなかった。またこれらの統合失調症患者のうち、入院した58症例については、入院時(急性期)と退院時(軽快期)の2点で、血清グルタミン酸濃度を測定した。その結果、退院時の血清グルタミン酸濃度は入院時に比べ有意に増加していた。またこの増加は、未治療期間、罹病期間、入院期間とも関連がなく、統合失調症の病態(症状改善など)に何らかの関連があるものと思われた。そのなかで、BPRSの評価において入院時に幻覚や妄想が強かった症例、またSUMDの評価において病識に乏しかった症例ほど入院時グルタミン酸血中濃度が低い傾向を認め、この相関関係が退院時には消失していたことからは、これらの病態と急性期に血中グルタミン酸濃度低いことが何らかの関係を呈している可能性が示唆された。過去の報告では、抗精神病薬、特に非定型抗精神病薬の治療により血中グルタミン酸濃度が上昇することが報告されており、今回の結果はそれを示唆するとともに、これが治療反応性の指標になる可能性も示唆していると思われた。また前述のGLS1およびGLS2の遺伝子多型と血清グルタミン酸濃度はいかなる関連性も示さなかった。
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