ヒト大腸癌組織における8-ヒドロキシグアニン値とその修復酵素活性の解析
Project/Area Number |
15790739
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Digestive surgery
|
Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
鶴留 洋輔 産業医科大学, 医学部, 助手 (30352305)
|
Project Period (FY) |
2003 – 2004
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
|
Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
|
Keywords | 活性酸素 / 酸化的ストレス / 酸化的DNA損傷 / 8-ヒドロキシグアニン(8-OH-Gua) / 加齢 / 大腸癌 / 発癌 / DNA修復 |
Research Abstract |
活性酸素は様々な疾患の発症に関与しており、中でも代表的な酸化的DNA損傷の一つである8-ヒドロキシグアニン(8-OH-Gua)は発癌に関与すると考えられ、酸化的損傷のマーカーの一つとして重要な役割を担っている。 これまでに我々は、加齢による大腸発癌における酸化的DNA損傷の関与をヒト大腸粘膜組織中8-OH-Gua値の測定により解析し、8-OH-Gua生成の意義を確認してきた。そこで今回、8-OH-Gua蓄積のメカニズムを追求する目的で酸化的DNA損傷に対する防御システムに注目した。即ち、当教室での大腸癌手術症例の大腸切除標本を用いて、癌組織及び正常組織中の8-OH-Gua値、その修復酵素活性の測定及びウェスタンブロット法によるOGG1・MUTYH蛋白の発現解析をおこなった。大腸癌切除標本における8-OH-Gua値(17症例)は、癌部(0.246±0.136/105dG)と非癌部(0.255±0.105/105dG)で明らかな有意差を認めなかったが(p=0.8273)、8-OH-Gua修復酵素活性(9症例)は癌部(19.6±10.76%)では非癌部(11.59±3.87%)に比べ有意に高値であった(p=0.0112)。またウェスタンブロット法によるOGG1・MUTYH蛋白の発現解析(4症例)では有意な結果が得られなかった。 以上の結果からヒト大腸癌切除標本中の8-OH-Gua値とOGG1・MUTYH蛋白の発現解析では癌部・非癌部において有意差を認めなかったが、8-OH-Gua修復酵素活性は癌部において非癌部に比べて有意に高値であり、大腸発癌には酸化的DNA損傷が重要な役割を担っている可能性が示唆された。 今後は更に症例を蓄積し同様の解析の他、RT-PCR法を用いたOGG1やMUTYH等の遺伝子発現解析、抗8-OH-Gua抗体・抗OGG1抗体を用いた免疫組織染色等による検討、また大腸癌の組織型・進行度・生存率等による統計解析にて、大腸発癌における酸化的DNA損傷の関与、酸化的DNA損傷と悪性度や予後との関連性などを解析していくことで、大腸発癌のメカニズムやその早期発見等に寄与すべく更なる検討を続けたい。
|
Report
(2 results)
Research Products
(1 results)