Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
本研究は術者が容易に腫瘍を識別し、腫瘍のみの摘出が可能となるよう薬剤による腫瘍の可視化を目的とした研究である。本年の目標として発光をいかに定量化し発光強度と組織との相関を調べるための基礎実験とした。平成16年、17年度の成果をもとに、蛍光観察実験のためのコントロールサンプルの安定した測定が可能となった。これを用いて神経膠腫症例10例において術中採取した標本の定量的評価を行った。組織の悪性度と定量蛍光評価には相関関係が認められる傾向にあった。特に蛍光陽性の場合の正診率は80%であり、本診断法の臨床での有効性が評価された。また、蛍光陽性部位とメチオニンPETの結果とに正の相関が見られる事より、術中の組織判断に本診断法がPET情報の代用となりうる可能性が示唆された。ただし、偽陽性、偽陰性のサンプルも認められ、5-ALAの細胞内動態にこれまで一般的に知られている以外の代謝経路が存在する可能性が考えられた。また、本観察より光量の強度以外に、サンプルごとに蛍光曲線に差異が生じることが発見された。これらは組織のgradeにより一定の傾向が見られるために、測定条件および解析方法の検討によって更なる詳細な解析が可能となることが示唆された。これら内容はAANS、国際脳神経外科学会、日本脳神経外科学会などにて結果発表を行なった。
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医学のあゆみ 209巻6号
Pages: 382-382