卵巣癌の腹膜転移形成における細胞膜型アミノペプチダーゼの役割と遺伝子治療への応用
Project/Area Number |
15790885
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Obstetrics and gynecology
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
梶山 広明 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (00345886)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 卵巣癌 / DPPIV / CD26 / 腹膜播種 / 転移浸潤 / 薬剤感受性 / APN / CD13 / 抗がん剤 / 形態変化 / 浸潤 / NEP / エンドセリン-1 |
Research Abstract |
今年度は主として細胞表面ペプチド分解酵素としてアミノペプチダーゼN(APN/CD13)の卵巣癌における発現と機能解析を行った。研究計画にあるように手術検体や細胞株におけるAPN/CD13の発現を免疫組織染色にて確認した。その結果、高APN/CD13発現細胞では線維芽細胞様形態が強く高浸潤性、低DPPIV/CD26発現であった。逆に低APN/CD13発現細胞では逆に上皮細胞様形態が強く低浸潤性、高DPPIV/CD26であることが確認できた。すなわち同じ細胞膜型アミノペプチダーゼでありながらAPN/CD13とDPPIV/CD26が細胞形態、細胞骨格、及び浸潤性の獲得で全く正反対の機能を有しているのは興味深い事柄である。さらに特筆すべきことは、低DPPIV/CD26高APN/CD13発現株(SKOV-3)へDPPIV/CD26を過剰発現させると興味深いことながらDPPIV/CD26発現の増加と共にAPN/CD13発現は著明に減少し線維芽細胞様形態から上皮細胞様に形態シフトし(EMT ; epithelia-mesenchymal transition)、かつEカドヘリンの発現増強が認められた。逆に低DPPIV/CD26高APN/CD13発現株(ES-2)のAPN/CD13をsmall interfering RNA (siRNA)を用いて抑制すると細胞形態において線維芽細胞様から上皮細胞様へとスイッチが認められた(MET ; mesenchymal-epithelial transition)。さらにsi-CD13-ES-2細胞ではコントロール細胞に比較して増殖能、浸潤能、および運動能などが減弱していた。さらに初代培養した中皮細胞との接着をみたadhesion assayにおいてもコントロール細胞に比較して有意にsi-CD13-ES-2細胞では接着が減弱していた。このことからDPPIV/CD26とAPN/CD13は細胞内でEMTあるいはMETに関連しながら密接にリンクしながら転移・浸潤性の獲得に影響していることが示唆された。
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Report
(3 results)
Research Products
(6 results)