頭頸部癌におけるセンチネルリンパ節の機能とその臨床的因子としての検討
Project/Area Number |
15790921
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Otorhinolaryngology
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
櫻井 努 群馬大学, 医学部, 助手 (40334099)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 頭頸部癌 / センチネルリンパ節 / 樹状細胞 / 抗原提示 / 抗原提示細胞 |
Research Abstract |
口腔癌を有する患者のうちセンチネルリンパ節(Sentinel lymph node : SLN)検出手術に関する同意を得た患者を対象に、放射線同位元素を用いた方法によってSLNの同定を試みた。 11例の口腔癌患者を対象に放射性同位元素を用いて、全例でSLNの同定が可能であった。更に理学的検査、CT、MRI及びPETといった画像検査と比較し頸部リンパ節転移の診断における有用性を証明できた。 さらに我々はこのSLNの機能面からの解析を行った。 同定されたSLNの癌転移の有無をH&E染色によって調べた後、転移を認めないSLNの機能をnon-SLNと免疫組織化学的手法により比較解析した。 一般に生体の免疫応答は局所でなく所属リンパ節で誘導されていると言われている。すなわち所属リンパ節は抗原特異的T細胞の活性化される部位であり、その免疫学的機能を評価するのに抗原提示細胞である樹状細胞(S-100,CD1a,CD83)及びメモリーT細胞(CD45RO)、NK細胞(CD57)についてその浸潤の程度を調べた。41個のSLNと48個のnon-SLNの計89個のリンパ節に対して免疫染色を行い各細胞の浸潤程度を評価したところ、SLNではnon-SLNに比べてS-100+及びCD1a+樹状細胞の浸潤が有意に高かった。更に、頸部転移があったpN+症例となかったpN0症例に分けて検討するとpN0症例ではすべての樹状細胞のマーカーでSLNに有意な浸潤を認めたが、non-SLNではS-100+樹状細胞のみ有意差を認めた。pN0症例とpN+症例でのSLNを比較したところ、pN0症例でCD83+樹状細胞の浸潤が有意に高かった。以上より、SLNではnon-SLNに比較して癌に対する優位な免疫応答が起こっている可能性が示唆された。しかしながら、頸部転移を含む病期の進行により全身的な免疫抑制を生じていると思われる。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)