Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Research Abstract |
本研究では「高血糖状態が歯髄細胞のオステオポンチン産生を促し,その結果歯髄結石の形成が促進されるかどうか」を調べるために,前年度,ラット株化歯髄細胞RPC-C2A細胞において,グルコースはオステオポンチンの発現をmRNAレベルでは影響を及ぼすことなく,蛋白レベルで発現を促進することを明らかにした。今年度はRPC-C2A細胞を用いた同様の培養条件下で他の歯髄蛋白の変動をオステオポンチンと比較したところ,テネイシンや1型コラーゲンの発現にはグルコースの影響は認められず,オステオポンチンの増加が歯髄細胞の基質形成に選択的であることが示された。しかしながら,培地に2mMのβ-グリセロリン酸を添加し,50mMグルコースの高血糖状態で長期の培養(20〜30日)を行っても培地中に石灰化物の形成は認められなかった。この結果からオステオポンチンの合成促進のみでは石灰化の条件がそろっていないことが示唆された。すなわち何らかの別の因子が加わったときに石灰化が進行するものと考えられた。今後はリン酸化や硫酸化される部位を多くもつDentin sialoprotein (DSP)との関連を調べる必要性について検討する。2型糖尿病自然発症ラットの実験では,健常ラットに比較して糖尿病ラットでは歯髄腔の狭窄傾向が認められたが,歯髄結石の形成に関しては,健常ラットと糖尿病ラットの間に有意な差が認められなかった。飼育方法をさらに検討することによってin vivoにおける実験系を確立する必要があると考えられた。(644字)
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