Project/Area Number |
15791140
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
補綴理工系歯学
|
Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
服部 雅之 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (10307390)
|
Project Period (FY) |
2003 – 2006
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
|
Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Keywords | チタン / チタン合金 / 機械的性質 / チタン鋳造 |
Research Abstract |
チタン-銅(10%含有)合金が、チタンの融点低下ならびに研削性向上の観点から有用なことは既に報告している。しかしながら歯科鋳造用として臨床応用するには機械的性質、特に延性の改善が必須である。研究代表者らは現在までに数種類の添加元素に着目し、三元合金化による改善を試みてきた。なかでもチタン-銅(10%含有)合金にクロムやパラジウムを数%添加した試作合金鋳造体の機械的性質を評価したところ、延性の向上が認められたが何れも3〜4%程度であった。 本年度においては、延性のさらなる改善のために、パラジウム添加量を増加させた試作合金の特性評価を行った。これは、前年度までの研究成果からパラジウムの添加量が増すにつれ伸びの増加が著明であることに着目したことによる。パラジウム添加量を7.5mass%、10.0mass%とし、Ti-Cu-Pd三元合金を溶製し、歯科鋳造法により試料を作製した。引張試験の結果から、パラジウム添加量7.5%(Ti-10.0Cu-7.5Pd合金)および10.0%(Ti-10.0Cu-10.0Pd合金)鋳造体の引張強さはそれぞれ885MPa,893MPaであった。また、0.2%耐力はそれぞれ736MPa,735MPaであった。昨年度までの結果(1.0,3.0,5.0%添加試料およびTi-Cu二元合金)と比較すると、それぞれの強さに変化は認められなかった。伸びは、7.5%添加試料で4.5%、10.0%添加試料で3.5%を示し、Ti-Cu二元合金の値と比較し、有意に大きな値を示した。以上の結果よりTi-10.0Cu合金の延性の低下は、パラジウムの添加により強度が低下することなく、改善されることが明らかとなった。 チタンへのパラジウムの添加により耐食性も向上するとの報告がある。現在、歯科鋳造用合金として市場で入手可能なのは、Ti-6Al-7Nb合金のみであるが、今回の結果は、新たな歯科鋳造用合金を開発していく上で有益なものであると考えられる。臨床応用への課題としては、いくつかの問題もあるが、今後の検討課題として取り組んでいく予定である。
|
Report
(3 results)
Research Products
(4 results)