魚類における組み換えサイトカインを用いた細胞性免疫の誘導
Project/Area Number |
15F15398
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Aquatic life science
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
中西 照幸 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (00322496)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NAVANEETHAIYER UMASUTHAN 日本大学, 生物資源科学部, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2015-11-09 – 2018-03-31
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Project Status |
Declined (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2017: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2016: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2015: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
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Keywords | サイトカイン / 細胞性免疫 / IFNγ / IL-12 / ギンブナ / T細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
IFNγは、抗ウイルス作用や抗腫瘍作用を有し、細胞傷害性T細胞やマクロファージの活性化に関わる主要なサイトカインとして知られている。ギンブナには4種類のIFNγ(IFNγ1, IFNγ2, IFNγrel1, IFNγrel2)が存在する。そこで、本年度は4種類の組換えIFNγ投与による好中球の活性化について検討した。その結果、IFNγrel2を除き組み換えIFNγの投与により好中球の貪食率を有意に上昇させることが明らかになった。また、いずれのIFNγによる刺激においても好中球の活性酸素産生能が有意に上昇することが判明した。 IL-12には多くの機能を有することが報告されているが、マクロファージや抗原提示細胞より分泌され、Th1細胞の分化(細胞性免疫の誘導)に関わることが知られている。p35及びp40の2量体から構成されており、ギンブナには4種類のp40アイソフォーム(p40A、p40B、p40C1、p40C2)が存在する。本年度はHEK293細胞を用い4種類のp40のアイソフォームについて組み換え体の作製に成功した。 そこで、4種類の組み換えIL-12(1種類のp35及び4種類のp40アイソフォームの組み合わせ)をリンパ球を含む腎臓白血球に加え、発現するサイトカイン遺伝子の発現解析を行った。その結果、p35とp40Aを共発現した場合にのみ、IFNγ1及びIFNγ2の有意な発現が認められた。なお、IFNγrel1及び IFNγrel2の発現には変化は認められなかった。 また、4種類の組換えIFNγをマクロファージなどを含む腎臓白血球に加え、発現するサイトカイン遺伝子の発現解析を行った。その結果、IFNγ2を加えた群において、培養6時間後にp35及びp40C2遺伝子の有意な発現増加が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
比重勾配遠心法により分離した好中球に、ギンブナにおける4種類のIFNγ組み換え体を添加し、IFNγのアイソフォームの違いによる好中球の貪食能及び活性酸素産生能に及ぼす影響を明らかにした。また、HEK293細胞を用いてp35とp40の2種類の分子を共発現させ、4種類のp40のアイソフォームすべてについて組み換え体の作製に成功した。これらの4種類のIL-12組み換え体を腎臓白血球に添加したところ、p35とp40Aを共発現した場合にのみIFNγ1及び IFNγ2の有意な発現を誘導することを明らかにした。このことから、作製したIL-12の組み換え体は機能的でありリンパ球を含む白血球よりIFNγの産生を誘導することが示された。 また、IFNγが好中球の活性化に影響を及ぼすとともに、腎臓白血球におけるIL-12の産生を誘導することを明らかにした。以上より、組み換えIL-12の添加によるCD4陽性ヘルパーT細胞のTh1細胞への分化あるいは組み換えIFNγの添加によるCD8陽性細胞障害性T細胞の活性化について検討する準備がほぼ整い、当初の目的を達成した。
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Strategy for Future Research Activity |
IFNγ及びIL-12について、好中球あるいは腎臓白血球レベルでの活性化の影響を明らかにした。今後は、免疫磁気法によりCD4陽性ヘルパーT細胞及びCD8陽性細胞障害性T細胞を分取し、これらT細胞の活性化・分化に及ぼすIFNγ及びIL-12の影響について解析する必要がある。 そこで、下記の研究を進める。 1)組み換えIL-12を用いたTh1細胞の分化(細胞性免疫の誘導)の検討:免疫磁気法により分取したCD4陽性ヘルパーT細胞に、組み換えIL-12(p35, p40の2量体)を添加し、フローサイトメトリー法により、ヘルパーT細胞の細胞内にIFNγが産生されるかどうかを確認する。 2) 4種類のIFNγアイソフォームのCD8陽性細胞障害性(キラー)T細胞の活性化に及ぼす影響解析:免疫磁気法により分取したCD8陽性細胞障害性T細胞に、ギンブナにおける4種類のIFNγの組み換え体を添加し、T細胞の活性化について検討する。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)