Outline of Annual Research Achievements |
1. 研究の目的 協同学習を取り入れた数学的活動を促す教材開発を中学校1年生の内容について行う。授業研究を通して数学的活動を促す指導における協同学習を取り入れる効果や問題点を明らかにし, 授業づくりの示唆を得る。 2. 研究の方法 ジグソー法を取り入れて指導することを念頭におき, 中学1年生の内容を中心に教材開発を行った。特別な課題を用意するということにこだわりすぎず, 既存の教科書にある問題をアレンジすることで新たな教材を開発することに取り組んだ。文献研究や公開授業研究会における情報収集を通して, 協同学習を取り入れた数学的活動を促す指導の意義を明確にし, 教材開発に活かした。開発した教材を用いて授業実践を行った。その授業の記録を集めた。アンケート調査では, ジグソー法を取り入れた指導が数学的活動を促すことにどのように関わるのかを事例的に分析した。また, 実践したものをふり返り, 協同学習を取り入れた数学的活動を促す指導に関する効果や問題点についての知見を得た。 3. 研究の成果 (1) 主な知見 ジグソー法による協同学習により, どの生徒も自分の学習と他者の学習との係わりを感じ, 主体的に学ぼうとすることにつながる。特に, 自分の学習が他者の学習に対して責任があることを感じる生徒が多く見られた。ジグソー法による協同学習が, 数学的活動に生徒たちが取り組む際の手立てのひとつとなる。それは数学があまり得意ではない生徒にとって一層顕著である。 (2) 今後の課題 開発した教材の価値を一層の分析を通して確かめる必要がある。アンケートの自由記述にもあったが, グループ活動と全体で行う活動のバランスについて検討する必要がある。ジグソー法を行う際の手立てを検討する必要がある。特にこのような形態で授業を行うと, グループに対してが多くなるが, どのように指導するのか, いきづまっているグループに対してどのような手立てが必要かを検討する必要がある。
|