Outline of Annual Research Achievements |
本研究では以下の2つの装置を開発した. 1. ネジの締め付け時, ドライバーによるネジを押し込む力, 回転トルクおよびネジによる締め付け力をリアルタイムに同時測定できる装置 2. ネジの押し込み力およびスパナを用いたネジの締め付け時のスパナにかかる力を光弾性縞を観察できる装置 また, これを40名前後のクラスにおける授業で展開し, 実際に教材として活用した. 具体的には, 装置1において, 十字型鋼板のロードセルに歪ゲージを設置し, 鋼板の変形をその方向に合わせて歪ゲージにおいて測定する装置とした. 装置2において, 当初はアクリルを用いて光弾性縞を観察しようと試みたが, 成果があまり得られなかったためエポキシ樹脂を採用し, 明瞭な光弾性縞を観察可能にした. これまでの授業ではネジ締め作業のポイントとしてドライバーを垂直に押し込む力が重要であると指導してきた. 学生の理解をより促すため, 今回開発した装置を用いて定性的ではなく定量的に指導が行えるようになった. また, 光弾性縞を観察することで荷重を材料(または工具)が受け止め, 応力という概念を理解することの一助となった. 教材を利用した学生にアンケートをとった結果, 数値として示されることで, わかりやすかったという回答が90%を超え有用であることが実証された. 光弾性の観察により応力について理解が増した回答が80%, 機械工学に以前にも増して興味をもったという回答も62%という結果であった. 開発した教材を用いた実習は高専に入学してすぐの学生に行い, アンケートを実施した. 工学, 今回の場合は特に機械工学を学ぶ導入の実習として興味を持ち意欲的に実習を取り組む動機となったと考える.
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