Research Project
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
本研究では、マダイの人工種苗生産において生じる遺伝的形態異常(透明個体と湾曲個体)について、AFLP解析を行うことで形態異常に特異的なDNAマーカーを開発することを目的とした。まず、正常個体と各形態異常個体をそれぞれ10個体ずつ混合したバルクDNAを用いたAFLP法により各形態異常に特異的なAFLPバンドを探索したところ、透明個体と湾曲個体でそれぞれ14個の特異的バンドを得ることに成功した。次に、特異的バンドが見られたプライマー対を用いて個体毎に再度AFLP解析を行い、特異的バンドの再現性を確認したところ、透明個体では6個のバンドで、湾曲個体では3個のバンドで再現性が認められた。次に、各特異的バンドを切り出してクローニングし、塩基配列を解析した。また、得られた塩基配列については我々が次世代シーケンス解析により取得済みのマダイゲノム配列と相同性検索を行い、特異的配列を含むスキャフォールドを探索すると共に、得られたスキャフォールド配列を用いてAFLP断片全体を増幅するプライマーを設計した。また、設計したプライマーを用いてAFLP断片を増幅するとともにダイレクトシーケンス法による塩基配列解析を行うことで、両形態異常に特異的な一塩基多型(SNP)を探索した。その結果、透明個体と湾曲個体で各1個の特異的SNPを単離することに成功した。多検体を用いて本特異的SNPのジェノタイピングを実施したところ、透明個体特異的SNPは97.1%、湾曲個体特異的SNPは75. 4%の識別率となった。以上の結果から、透明化個体を識別するには十分な精度のSNPマーカーの開発に成功したが、湾曲個体の識別率についてはまだ改善の余地があるため、今後、AFLPプライマーを増やすなどの方法で探索深度を上げ、より有効なマーカーを開発する必要がある。
All 2016 2015 2014
All Journal Article (8 results) (of which Peer Reviewed: 6 results, Open Access: 2 results) Presentation (2 results) (of which Invited: 1 results)
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