山陰に飛来する大気汚染微小物質の三次元微細形態解析のための新走査電顕観察法の構築
Project/Area Number |
15H00678
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
境界医学・社会医学・看護学等
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
堀江 享史 国立大学法人 鳥取大学, 技術部, 技術職員
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Project Period (FY) |
2015
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2015: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 走査型電子顕微鏡 / 低真空二次電子 / 浮遊粒子状物質 |
Outline of Annual Research Achievements |
<研究目的> 近年、大陸からの飛来や国内で発生する浮遊粒子状物質が大気汚染源として社会問題となっている。本学は山陰地方に立地しており、大陸から飛来する浮遊粒子状物質をサンプリングして生体への影響を調査している。浮遊粒子状物質の影響を解析する手段の一つとして、走査型電子顕微鏡(以下、走査電顕)を用いた微細構造観察と構成成分を調べる事が重要であるが、導電性付与のための金属蒸着による微細構造の埋没や他の分析に使用できなくなるなど問題が多い。本研究は、試料をサンプリング時の状態のまま三次元微細形態解析に適した二次電子像を取得できる低真空二次電子観察法が大気汚染物質の三次元微細形態解析に有用であるか検証するものである。 <研究方法> 本学周辺屋外にて捕集した大気汚染物質を含む浮遊粒子状物質を研究材料として用いた。走査電顕SU6600(日立)を用いて金属蒸着を行う観察法(以下、常法)と金属蒸着を必要としない低真空二次電子観察法で両観察法に適した観察条件の検討を行った後、浮遊粒子状物質の表面微細構造を観察、撮影し、比較した。併せて、金属蒸着試料と未蒸着試料を走査電顕に付属のエネルギー分散型X線発生装置により浮遊粒子状物質の構成成分とマッピングデータを取得した。得られたデータをもとに低真空二次電子観察法の有用性について検証した。 <研究成果> 低真空二次電子観察法は、金属蒸着を必要としないため、蒸着金属による微細形態の隠蔽のない試料本来の形態像の取得が出来た。また、蒸着金属の影響を考えなくてもよいので、正確に試料の成分分析を行うことが可能であった。一方、低真空二次電子観察法によって明瞭に観察出来る倍率は現時点でx5k程度となった。今回の検証により、低真空二次電子観察法は試料の微細形態の埋没もなく、電顕以外の分析にも再利用が可能な浮遊粒子状物質の三次元微細形態解析のための有用な観察法であると示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
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