Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
我々は、加齢で認められる速筋優位の骨格筋の減少すなわちサルコペニアでは、骨格筋でのインスリン作用の低下、ことにAkt活性の低下が起点となっている可能性を見いだし、Aktの主要な2つのアイソフォームであるAkt1およびAkt2を骨格筋特異的にノックアウトしたマウス(mAktDKOマウス)を作成した。このマウスは、加齢によるサルコペニアで認められる速筋優位の骨格筋量の低下が若年から認められ、週齢が進むにつれてインスリン抵抗性・耐糖能異常を示すというこれまでになかった早発性のサルコペニアモデルとなっている。本研究では、野生型・mAktDKOマウスの体重・骨格筋量・体脂肪量を週齢を追って測定した。mAktDKOマウスで、8週目以降において、速筋優位の骨格筋量の低下を生じていることを確認した。また、24週齢以降において、インスリン感受性・耐糖能の低下を認めた。また、網羅的発現解析を行い、ミトコンドリア関連遺伝子やオートファジー関連遺伝子の低下や、老化マーカーの上昇を見いだした。また、Akt下流でどのような経路がこのような変化をもたらしているのかを検討するために、mAktDKOマウスと骨格筋特異的なFoxO1/3/4ノックアウトの掛け合わせ、あるいは骨格筋特異的なTSC2ノックアウトマウスとの掛け合わせを開始した。
27年度が最終年度であるため、記入しない。