Project/Area Number |
15H04833
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Respiratory organ internal medicine
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
別役 智子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (60333605)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ヒガブ中井 アハマド (Hegab Ahmed) 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任講師 (00507915)
副島 研造 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (30236145)
安田 浩之 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (70365261)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥17,940,000 (Direct Cost: ¥13,800,000、Indirect Cost: ¥4,140,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2017: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2016: ¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2015: ¥8,970,000 (Direct Cost: ¥6,900,000、Indirect Cost: ¥2,070,000)
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Keywords | 肺癌 / FGF / 線維芽細胞増殖因子 / マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
線維芽細胞増殖因子(fibroblast growth factor: FGF)とその受容体(FGFR)は、近年、肺癌に対する新たな分子標的薬の標的として注目されている。申請者らは、FGF9を強制発現することにより肺線癌を発症するマウスモデルを確立した。本課題では、FGF9に誘導された癌細胞がFGF9非依存性に増殖し、さらに二次的に新規発癌を誘導する“癌幹細胞”様の特質を獲得するメカニズムを明らかにする。さらに、FGF9は腺癌だけではなく、肺胞II型上皮細胞から小細胞癌をも誘導しうるという我々の発見に基づき、その機序を明らかにし、肺小細胞癌のマウスモデルを確立する。現在開発中のFGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤のこれらのモデルにおける有効性を検証し、同種薬剤に感受性を有する肺小細胞患者の特徴を明らかにした。FGF9が導入されることによってどのように遺伝子発現プロファイルが変化するのかを、FGF9の導入されたMLE12細胞と、導入されていないものの間でcDNAマイクロアレイを用いたpathway解析を行いkeyとなるpathwayの同定を行った。今年度は、FGF9を強制発現することにより肺線癌を発症するマウスモデルにおける腫瘍関連マクロファージ(TAM)の役割に注目した。腫瘍組織近隣にぞう集積するマクロファージの特徴を明らかにした。腫瘍増殖促進作用が注目されているM2の特徴を有し、FGF2を高発現することを明らかにした。FGF2特異的アプタマーを投与することにより共培養したFGF9誘導肺癌細胞増殖が抑制されることにより、肺癌組織の微小環境におけるFGF9とFGF2の相互作用のメカニズムを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基礎的機序の解明は概ね順調に進んでいる。論文発表2編、学会発表5回、臨床研究のネットワークも順調に構築されている。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒト肺小細胞癌に焦点を当てた臨床研究: 肺小細胞癌におけるFGF9、FGFR1-4のタンパク発現レベル、さらにFGFR1の遺伝子増幅の有無と予後の関係を明らかにする。 当該施設は関東圏内に約20の関連病院があり、それぞれ優秀な呼吸器内科医が複数名配属されている。H25年4月に、新たに慶應肺癌グループ(Keio lung oncology group: KLOG)を組織し共同で臨床試験を行う基盤を立ち上げた。KLOGにおいて、探索的な3つの臨床試験を現在実施中である。本課題では、KLOGに所属する慶應義塾大学病院、その関連施設にて気管支鏡下あるいはCTガイド下生検にて病理組織学的に肺小細胞癌と診断された症例を対象とする。H27年度に各施設倫理委員会申請等の体制を整備した。採取された検体をホルマリン固定後、パラフィン包埋を行う。免疫染色法にてFGF9、FGFR1-4のタンパクレベルでの発現の半定量を行う。また同標本からgDNAを抽出し、qPCR法にてFGFR1のgene copy number(GCN)を定量する。Line-1遺伝子のGCNを内因性コントロールとして補正する(Soh J, PLoS One,2009)(Wynes MW, Clin Cancer Res, 2014)。興味深いことに肺小細胞癌は、CCLEに登録されている約30種類ある癌種のうちFGF9を最も高発現する2種類の癌腫の1つであった。これらの臨床予備研究の結果から、小細胞癌におけるFGF9の役割を掘り下げる臨床的妥当性を得た。さらに今後、関連施設を含めた症例の蓄積とFGFR1を中心としたFGFRに関する検討を追加し、FGFR選択的阻害剤によるFIH試験を含む臨床応用の可能性を探る。
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