Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
1) 平成27年度は、前期の研究の継続として、遺伝子改変マウス脳梗塞モデルでの、行動解析と神経軸索再生の検討を行った。その結果、Lotus過剰発現マウスではBederson testにて有意な運動能力の改善が得られ、脳幹部と頚髄にて対側(非損傷側から)の有意な神経軸索の再生が見られた。これらは、発現しているLotusの量と相関しており、過剰発現Lotusによる脳梗塞後の機能回復が可能となったと考えられ、現在論文を投稿するところである。2) 胎児からの成体脳での歯状回での遊走障害に関しては、残念ならが最終的に傾向はあったものの有意な差がえられなかった。そのため、次年度予定を繰り上げて研究を進めることとした。3) 実験系をラットに移行するためにRat Lotusを過剰発現するTgラットを作成した。また、ラットLotusを検出するより良好な抗体を作成した。RT-PCRにて導入遺伝子と蛋白発現との関連は良好であることを確認した。損傷モデルとしては、脳梁離断モデルと、皮質運動野損傷モデルを検討した。i)脳梁離断モデル : 脳固定装置を用いてstereotaxicに脳梁を切断するモデルを作成した。DAを注入すると脳梁離断面を超えて右側の脳梁に染色された神経軸索が確認された。今後遺伝子発現や電気生理学的に検討を追加する。ii)皮質運動野損傷モデル : 硬膜外から刺激可能なgrid電極を作成し、後肢領域を刺激することで下肢骨格筋から誘発反応を記録することに成功し、電気生理学的検索の準備はほぼ完了した。脊髄より逆行性トレーサー(FG)を注入し上肢運動野の錐体細胞が染まることを確認した。今後は腰髄注入も検討する予定である。これらの検証後に、運動野の損傷モデルを作成する予定である。
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
損傷モデルの評価系に関しての個別事項は、ほぼ検証済みであり、進捗状況としては概ね順調にすすんでいる状況である。予定通りに次年度以降に損傷モデルとLotus発現との相関について、定量的な解析を進める予定である。
All 2015
All Presentation (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)