Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
本研究の目的はビスホスホネート(BP)の細胞内取り込み機序の同定から、BP関連顎骨壊死(BRONJ)の発症機序の解明・治療法の確立へと発展させることである。BPの細胞内取り込み機序として、これまでに、複数のリン酸トランスポーターの関与を示唆する結果を得ていた。そこで、本年度はさらなるリン酸トランスポーターの特定を目指した。現在、リン酸トランスポーターとして、3種類のファミリー(SLC17、SLC20、SLC34)が存在し、それぞれのファミリーには、複数のアイソフォームが同定されている。このうち、口腔および周辺各組織に局在するSLC20、SLC34に焦点を当て、検討を行った。血管内皮細胞から、SLC20およびSLC34遺伝子を、siRNAにより除去し、N-BPの細胞毒性とradio-isotope標識N-BPの取り込み量の評価を行った。その結果、siRNA処理されていない血管内皮細胞に比べ、SLC34遺伝子ノックダウン細胞株では、細胞毒性が減少し、radio-isotope標識N-BPの細胞内取り込み量も減少した。他方、BRONJの病態をより反映したマウス顎骨壊死モデルを用い、C57/BL6 ワイルドタイプ(WT)マウスと、SLC20およびSLC34コンディショナルノックアウト(CKO)マウスにおけるBRONJへの影響を検討した。この顎骨壊死モデルでは、BPを7日毎に1か月間、腹腔内注射した後、第一大臼歯の抜歯を行い、その2週間後に顎骨壊死発症頻度・血管障害状態の評価を行った。その結果、WT群に比べ、SLC34群では、顎骨壊死の発症および血管障害所見が有意に抑制された。以上の結果より、BPはリン酸トランスポーターSLC34を介して細胞内に取り込まれ、同機序は、Bronj抑制の分子標的になる可能性が示唆された。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Biological and Pharmaceutical Bulletin
Volume: 印刷中
130005149275