抗菌成分作用後のストレス反応によるバイオフィルム再形成促進機構の解明
Project/Area Number |
15H06226
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Conservative dentistry
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
大墨 竜也 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (30759725)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2016-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2015: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | バイオフィルム / sub-MICの抗菌成分 / 化学的制御 / バイオフィルム形成関連遺伝子 / 人口根管モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終目標は、抗菌成分の暴露下においてもなおバイオフィルム深層部で生存する細菌の生理学的多様性の解析と、殺菌されてもなお付着界面に残存したバイオフィルム構造体が、二次的なバイオフィルムの形成過程に与える影響を明らかにすることであった。抗菌戦略にはバイオフィルム深層部に抗菌成分が必要な濃度で届かず、期待した臨床効果が得られないという弊害が存在する。細胞外多糖による抗菌成分の浸透率が低下し、最小発育阻止濃度以下となり、生存した細菌のストレス反応によりバイオフィルム形成が逆に促進される可能性がある。 初年度は、抗菌成分に晒されたバイオフィルム内部の生存細菌による生理学的多様性を探索した。MIC以下のグルコン酸クロルヘキシジン(CHX)存在下でS. mutansのバイオフィルム形成に及ぼす影響を検討した。その結果、S. mutansバイオフィルムは量的増加が認められたが、付着能は弱くなる傾向が示された。また、バイオフィルム中の生菌数は、すべての菌株で有意差はなく、蛍光イメージング像にも差異は認められなかった。つまり、細菌数の増加は観察されなかったが、バイオフィルム中の菌体外多糖量が平均で10.0 μg/mlの増加傾向を認め、S. mutansは代謝系に対して影響を受けた可能性が示唆された。一方、感染根管内に形成するバイオフィルムについても検討を行った。ヒト抜去歯根管壁の象牙細管内をクリスタルバイオレット溶液で染色し、NaOClによる脱色距離を測定することにより洗浄効果を検討した。NaOClの脱色浸透深度は濃度と作用時間に依存することが示唆された。しかし、NaOClは象牙細管内で濃度勾配を生じ、深部ではダメージを受けつつも、細菌が生存する可能性が考えられる。歯内療法領域でも低濃度抗菌成分による弊害として、難治性の根尖性歯周炎に関わっている可能性がある。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)