近代の大都市内産業集積と商工業者のネットワークに関する歴史地理学的研究
Project/Area Number |
15H06299
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Human geography
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
網島 聖 京都大学, 学内共同利用施設等, 助教 (70760130)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2016-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2015: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 同業者町 / 産業化 / ネットワーク / 制度 / 組織 / 医薬品産業 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は以下2点の調査・検討を行った。 (1) 大阪道修町の医薬品産業集積の事例と比較することを念頭に、東京都中央区日本橋本町の医薬品産業集積において株仲間や同業組合といった制度・組織がいかに同業者町の維持・発展と関わっていたかを分析した。具体的には東京薬事協会、国立国会図書館、東京都立図書館等で資料収集とその精査を行った。その結果、本町の仲間・組合の組織は、政府の施策、法令などの制度の変化に対応して臨機応変に装いを変え、またその都度実態に合わなくなった業態については分離や包含を行うことで維持・発展してきたことが判明した。しかし、本町の中で行われる取引業務の内容は、江戸期から大正期までほとんど変化しておらず、取引決済には必ず「附け込通帳」を必要とし、独特の符丁を用いるなど排他的なものであったことも明らかになった。すなわち、本町はローカルな仲間・組合の結成によって商秩序の維持を求める動きと、市場における独占の弊害を慮り営業の自由を求める公的な制度の影響とがせめぎ合う場であったと位置付けることができる。なお、以上の内容は、日本地理学会2016年春季学術大会にて口頭発表した。 (2)大阪道修町や東京本町の同業者町と常態的に取引関係を結んでいた各地の有力業者の営業規模や主な取扱商品、取引先についての網羅的なデータベース作成も進めた。具体的には、古書店を通じた史資料の購入や、国立国会図書館、福岡県立図書館、佐賀県立図書館での資料調査を通じて、『九州薬業家列伝』や『九州薬業家案内』といった商工名鑑的資料とともに、『薬業家同盟電信暗号帳』等の業者間のつながりがうかがえる資料の収集を進め、記載情報をデータベースに整理する作業を進めた。これにより、例えば福岡県では薬種商で市会議員や商業会議所議員を歴任した波多江嘉兵衛を中心に、大阪道修町とのつながりが確認された。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)