Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
本研究では、ミクリッツ病(IgG4-DS) 10例、シェーグレン症候群(SS) 15例および健常者30例を対象とした。これらの患者の唾液腺を用いて、免疫組織化学的染色およびreal-time PCRによりマクロファージ分子およびマクロファージ関連分子の発現を解析した。その結果、健常者ではほとんどマクロファージの発現を認めなかった。SSではリンパ球浸潤部にマクロファージの発現を認めたが、それらは炎症に関わるM1マクロファージが中心であった。一方で、IgG4-DSでは組織中に形成している異所性濾胞(eGC)周囲や線維化部分に多くマクロファージの発現を認め、それらの多くはSSと異なり、抗炎症作用を有するM2マクロファージであった。これらの局在の異なりをさらに解析するために、マクロファージに関連する線維化分子(IL-13、CCL18)について解析したが、IgG4-DSとSSでは明らかに局在が異なり、IgG4-DSで強く発現を認めた。これらのことから、IgG4-DSの病理組織に特徴的な線維化やeGCにはマクロファージ、特にM2マクロファージが関わっていることが示唆された。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。