Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
私は今年度、主にトーリック多様体のコホモロジー環の表現について研究してきました。この表現の問題は、一般のトーリック多様体で考えるのではなく、一部の限定したトーリック多様体で考えています。私が注目しているトーリック多様体は、単純グラフから構成されるトーリック多様体です。単純グラフから構成されるトーリック多様体のグラフの自己同型群による表現を考えました。私は単純グラフとしてまずはサイクルグラフを選びました。サイクルグラフの自己同型群は二面体群です。しかし、複素4次元までのトーリック多様体しかコホモロジー環の表現を求められませんでした。そこで、もう1つの同変コホモロジー環の表現を求める方法で、二面体群の部分群の巡回群の場合のコホモロジー表現を考えることにしました。巡回群の既約表現は二面体群の既約表現よりも簡単だからです。この研究は、大阪市立大学の枡田幹也教授と同学特任研究員のSeonjeong Parkとの共同研究です。サイクルグラフから構成されるトーリック多様体のコホモロジー表現を求めるには、同変コホモロジー環の巡回群による表現とコンパクトトーラスの分類空間の巡回群によるコホモロジー表現がわかればよいことがわかっています。同変コホモロジー環の巡回群による表現は、各tubingに対して同変コホモロジー環の部分空間が対応し、それらの巡回群による表現の和になっています。そのtubingに対応する同変コホモロジー環の部分空間の巡回群による表現は、巡回群の誘導表現を用いて表すことができます。さらにその誘導表現は、メビウス関数と誘導表現のもととなっている空間のヒルベルトシリーズを用いて表すことができます。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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数理解析研究所講究録
Volume: 2016 Pages: 178-181