Budget Amount *help |
¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2016: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2015: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Outline of Annual Research Achievements |
採用第1年目である平成27年度は、目的の①「資源利用と関わる形質間の関係を異なる生育段階で解析する」に着目し、マレーシアのパソ、タイのドイインタノンの長期観察林において、実生及び稚樹の葉の形質を測定するための約3ヶ月間の野外調査及び解析を行った。マレーシアのパソでは、実生に関する共同プロジェクトとして2014年の一斉開花時に播種した1年生の実生ポットを収穫し(90種493個体)、生葉の形態測定を行い、乾燥後に、重量測定及び化学分析を行った。また、パソ50ヘクタール調査区内に生育する樹木種の810種のうち測定可能あった650種の稚樹(幹直径1㎝以上3 cm以下の個体, 存在しない場合は調査区内の最小個体)から生葉を採取し、形態測定を行い、乾燥後、重量測定及び化学分析を行った。タイのドイインタノン国立公園でも同様に15ヘクタール調査区内に生育する192種のうち測定可能であった144種の稚樹(幹直径1㎝以上3 cm以下の個体, 存在しない場合は調査区内の最小個体) から生葉を採取し、形態測定を行い、乾燥後、重量測定及び化学分析を行い、葉の形質を調べた。今後の調査により、他の生育段階の形質及び他のサイトでのデータを集めることにより、群集間比較が可能となる。 本年度の調査・分析データを元に、マレーシア・パソの熱帯樹木群集の共存樹種間の異なる生育段階における葉の形質の違いを調べた結果、実生、稚樹、成木において、種の葉の形質の関係では、従来から報告されている葉の経済スペクトラムと関連する葉形質が主成分分析の第一主成分となり、コストの高く生産性が低いが耐久性が高い葉を作る種とコストが低く生産性が高いが耐久性が低い葉を作る種の関係をうまく表していた。また、葉面積のみが生育段階の変化に伴い葉形質の関係内で大きく変動していることが明らかとなった。本成果は2016年3月に第63回日本生態学会でポスター発表を行った。
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