Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
本研究は,自己注目の2側面を基礎として自己理解と抑うつの関連メカニズムを明らかにし,抑うつ低減法の開発に寄与することを目的としている。自己注目は,適応的なタイプの省察と不適応的なタイプの反芻の2つに分類できるとされている。これまでの研究で,省察は自己理解を明確にすることで(自己洞察を向上することで)抑うつを低減し、反芻は自己洞察を阻害することで抑うつを増強することが示唆されている。これは,省察的な自己注目を促進すれば,自己洞察が向上し,抑うつが低減されることを示唆する結果である。しかし,省察を促進する手法は確立されておらず、この知見を直接介入につなげることは困難であった。そこで一昨年度から,本研究では省察を「自己洞察を向上させる自己注目」として捉え直し、それがどのような要因によって向上されるのかを検証した。一昨年度は横断的な調査を行い,自己洞察を向上する自己注目要因を探索的に検証した。その結果,マインドフルネスが自己洞察の向上に寄与することが示唆された。この結果を受け,昨年度は,大学生を対象とした3時点縦断調査を行い,マインドフルネスによる自己洞察への経時的効果を検証し,両者の因果関係を探った。その結果,マインドフルネスが自己洞察を高め,そのプロセスを介して抑うつを低減するというメカニズムの妥当性が支持された。さらに詳しい検証をおこなったところ、自己洞察の向上には言葉で自身の気持ちを表現することと、意識的に自分の内面に目を向けることの2つが重要であることが示された。この知見は,具体的にどのような介入をすれば省察・自己洞察が向上できるのかを示唆するものであるため,心理的実践につながる有益な知見である。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2018 2017 2016 2015
All Journal Article (7 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Peer Reviewed: 3 results, Open Access: 1 results, Acknowledgement Compliant: 1 results) Presentation (15 results) (of which Int'l Joint Research: 8 results)
東京大学心理臨床相談室紀要
Volume: 128 Pages: 10-11
Personality and Individual Differences
Volume: 120 Pages: 127-132
10.1016/j.paid.2017.08.033
Psychiatry research
Volume: 249 Pages: 275-280
10.1016/j.psychres.2017.01.026
東京大学駒場心理臨床相談室紀要
Volume: 127 Pages: 10-12
Volume: 126 Pages: 5-6
The Japanese journal of psychology
Volume: 86 Issue: 4 Pages: 347-353
10.4992/jjpsy.86.14320
130005104869
Volume: 124 Pages: 10-12