深海熱水噴出域固有動物群の生物地理および初期生態に関する研究
Project/Area Number |
15J08646
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Ecology/Environment
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
矢萩 拓也 東京大学, 新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2016)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2016: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2015: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 化学合成生態系 / 個体群動態 / 底生生物 / 腹足類 / 初期生態 / 幼生分散 / 鉛直移動 / 表層水温 / 初期生活史 / 進化生態 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、深海熱水噴出域固有動物の集団形成過程を明らかにすることを目的として、世界の熱水噴出域に生息するシンカイフネアマガイ亜科の腹足類を対象に、種分類体系の構築、地理的分布の把握、集団遺伝解析および幼生飼育実験を行った。その結果、深海熱水噴出域の固有動物が、植物プランクトン食の浮遊幼生として有光層まで鉛直移動し、表層流により長距離分散することを初めて明らかにした。1)種分類、地理的分布と集団構造:太平洋・インド洋・大西洋で採集された1,000個体以上のシンカイフネアマガイ類標本について、形態および分子情報の対比を行い、既知6種と未記載の11種を含む計17種に分類した。また、多くの種が広域分布(< 3,200 km)を示し、その分布全域にわたり任意交配集団を形成することを明らかにした。2)幼生飼育実験: 伊豆・小笠原島弧と沖縄トラフに分布するミョウジンシンカイフネアマガイについて、半年間の幼生飼育実験と行動観察を行った。同幼生は孵化後継続的に上昇遊泳し、また生残・成長の至適水温は種の地理的分布域における表層水温と一致した。幼生期は1年以上に及び、その間、表層流により長距離分散することが示唆された。幼生の至適水温・地理的分布を考慮すると、表層水温が同種の南北の分布域限界を決定していると考えられる。以上の結果は、熱水域固有動物の地理的分散に関する全く新たな知見であり、光合成生態系と熱水噴出域生態系の物質循環に関する観点からも極めて興味深い。最終年度は、これらの研究成果について、日本貝類学会大会で口頭発表を行うとともに、米国生態学会誌Ecologyにて論文発表を行った。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)