Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
ギプス固定は廃用性筋萎縮を引き起こすが、そのメカニズムは未だ不明瞭である。炎症は筋細胞のタンパク質分解を誘導することから、ギプス固定においても免疫細胞の浸潤を介した炎症が惹起されることが考えられる。そこで、ギプス固定後の免疫細胞の浸潤、炎症および筋萎縮に関連する細胞内情報伝達系の時間的差異を検証した。骨格筋の免疫細胞の動態についてはフローサイトメトリー法により評価した。また、筋萎縮に関連するユビキチンプロテオソームおよびオートファージの活性化を示すマーカーのタンパク質あるいは遺伝子発現はウエスタンブロット法、real-time PCR法により評価した。ギプス固定の早期には免疫細胞の骨格筋への浸潤は観察されなかったが、後期にはマクロファージと好中球が骨格筋に浸潤することが明らかになった。また、炎症のマーカーであるJNKのリン酸化はギプス固定の後期に顕著に誘導されることが明らかになった、一方で、ユビキチンリガーゼの一種であるAtrogin-1およびユビキチンリガーゼの誘導を制御するFOXO3のタンパク質発現はギプス固定の早期に増加することが明らかになった。さらに、オートファージー活性化のマーカーであるLC3-Ⅱのタンパク質発現およびp62の遺伝子発現はギプス固定の早期にのみ増加することが明らかになった。これらの結果は、ギプス固定後の免疫細胞の浸潤および炎症の増大と筋萎縮に関連する細胞内情報伝達系の活性化には時間的差異が生じることを見出した。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
All 2017 2016
All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results, Open Access: 1 results, Acknowledgement Compliant: 1 results) Presentation (2 results)
Physiological Reports
Volume: 5 Issue: 8 Pages: e13255-e13255
10.14814/phy2.13255