直噴式ディーゼル機関のエンジン性能、排出ガス特性の改善が可能な噴射ノズルの開発
Project/Area Number |
15K05847
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Research Field |
Thermal engineering
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
玉木 伸茂 近畿大学, 工学部, 准教授 (70298933)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2016)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2018: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2017: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2016: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2015: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | ディーゼル機関 / 微粒化 / 噴霧特性 / 燃料噴射 / エンジン性能特性 / 排出ガス特性 / キャビテーション / 省エネルギー |
Outline of Annual Research Achievements |
実機に使用されている直噴式ディーゼル噴射ノズルは、同一噴孔径の噴孔が複数本、鉛直下方、斜め方向に不規則に空けられている。そのため、噴霧の微粒化状態、噴霧先端到達距離(噴霧の貫徹力)が異なり、燃焼室内において、不均質な噴霧が形成され、燃焼特性、排出ガス特性に影響を及ぼしている。本研究は、単孔ホールノズルの噴孔部のみを改良し、同一面上に分割した複数本(4本)の噴孔から噴射させる多噴孔微粒化促進ノズルを開発してきた。 ノズルの設計、測定の効率化から、主に大気圧雰囲気下における定常噴射実験により、噴霧特性、流量特性を測定し、本研究の目的を達成する諸元のノズルを見出し、実機とほぼ同じ雰囲気密度下において、間欠噴射時における噴霧の評価を行った。不具合が生じていた間欠噴射装置、噴射弁は、申請書に対処方法として挙げていたとおり、有識者[FCデザイン(株)]の教示により、平成27年度に一新し、稼働確認、測定結果の信ぴょう性の確認も終えており、主に間欠噴射実験を行い、設計したノズルの評価を行った。 その結果、実機シリンダ内に噴射した際、支障がない噴霧先端到達距離が得られ、これまでに設計したノズルよりも噴霧半径方向に大きく広がる噴霧(市販のノズルの約3倍)が得られた。 また、平成27年度後半に導入したコモンレール式多段燃料噴射装置を既存のエンジンに装着し、エンジンの回転数を約2000 rpm、燃料の噴射圧、噴射期間および噴射タイミングをそれぞれ120 MPa、0.510 msおよび710°に固定し、負荷を全負荷から、1/4負荷ずつ変化させた時の主なエンジン性能項目を測定した。 その結果、3/4負荷時に正味熱効率が最も高く(20数 %)、燃料消費率が最も低く(約400 g/kW・h)なった。なお、正味熱効率が20数 %であり、実機よりも低いため、燃料の噴射パターン等を変化させ、改良する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに設計、開発してきた噴射ノズルよりも、改良するべき項目(噴霧粒径、噴霧の均質性)を目標に近づけるための研究は、ほぼ計画通りに進んでいる。また、実機の噴射圧、雰囲気圧とほぼ同じ条件下における研究も、一新した間欠噴射装置、噴射弁が良好に稼働しているため、予定以上のノズル諸元の実験ができており、噴霧特性の改善の判断に貢献している。 実機に取り付けられている市販の噴射弁の代わりに、本研究で設計、開発した良好な噴霧特性が得られるノズルを装着し、エンジンに装着してエンジン性能試験を実施する計画であったが、高圧間欠噴射実験時から、ノズルの強度の問題が浮上したため、有識者による材料面、製作の可否の検討に時間を要し、当初の計画よりも、若干遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
燃焼に適していると思われる最適なノズルの幾何学形状・寸法の燃料噴射ノズル(微粒化促進ノズル)の設計は、平成28年度中にほぼ終えているが、今後の研究の推進方策として、以下のとおり実施していく。 1.エンジン性能試験と並行して、考え得る形状・寸法のノズルの噴霧特性の測定、常温・高圧雰囲気下における間欠噴射実験を行う。 2.正味熱効率が一般的な直噴式ディーゼル機関よりも低いため、燃料噴射回数、燃料噴射時期、燃料噴射期間を変化させ、エンジン性能特性に及ぼす影響を調べる。 なお、平成29年度より、配属先異動に伴い、申請書の「研究計画の概要と研究体制」に記していた学生が配属されなくなり、研究代表者一名になったため、同一県内の研究機関、不測の事態における協力企業に研究補助を依頼する等、研究体制を見直す。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実機の高圧噴射に耐え得る材質の確定、噴射ノズルの諸寸法を強度上、設計変更が可能になりましたら、当初の予定通り、既設のインジェクタの改造費の一部に補てんする予定です。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)