Budget Amount *help |
¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2016: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2015: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、維管束植物(シダ植物以上の陸上植物)に共通する配偶子融合の分子機構解明を目的としており、近年研究代表者が、被子植物(花をつける植物)の雄性配偶子側膜タンパク質GEX2 (GAMETE EXPRESSED 2)が配偶子接着において機能することを解明したことに端を発している(Mori et al., 2014, Curr. Biol.)。初年度である平成27年度は、シダ植物カニクサ(Lygodium japonicum)を主な材料とし、同植物で発現するGEX2などの遺伝子同定・単離・詳細な発現解析を行った。その結果、(i)被子植物における既知の雄性配偶子側受精因子GEX2およびGCS1 (GENERATIVE CELL SPECIFIC 1)遺伝子の完全長クローニング・シーケンス解析、(ii)半定量RT-PCRによる発現解析に成功した。興味深いことに、カニクサのGEX2はこれまでに分かっていた陸上植物オーソログの中で最大であり、多数のイムノグロブリン様ドメインを有することが分かった。また、同植物のGCS1の分子量は被子植物のオーソログと同様であったが、これまでに知られているGCS1に共通な塩基性の細胞質ドメインと異なり、顕著な酸性の細胞質ドメインを有することが分かった。さらに、葉、前葉体(配偶体)、単離精子間で詳細な発現パターンを調べたところ、GEX2およびGCS1は精子で強い発現を示すことが分かった。意外なことに、GCS1は精子特異的であるのに対し、GEX2は体細胞である葉でも弱い転写活性を示した。このことは、被子植物と異なり、シダ植物のGCS1とGEX2は異なる転写制御を受けていることを示唆した。
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