Project/Area Number |
15K09073
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Research Field |
Cardiovascular medicine
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
加藤 秀樹 浜松医科大学, 医学部, 助教 (80314029)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 洋 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (30293632)
林 秀晴 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50135258)
早乙女 雅夫 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (70509512)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2016)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2016: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2015: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | ミトコンドリア / ERK1/2 kinase / ミトコンドリア膜電位 / 細胞内レニン / ミトコンドリア / ERK1/2 kinase / ミトコンドリア膜電位 / 細胞内レニン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では心筋細胞内レニン・プロレニンが細胞を保護する機構について、①レニン、プロレニンレセプターである(プロ)レニン受容体を介する経路と、②(プロ)レニン受容体を介さない経路について検討し、アンジオテンシン受容体を介して細胞障害的に作用する従来のレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系とは異なる細胞内RAAS系の病態生理的意義を明らかにすることを目的とする。今年度は、レニンがミトコンドリアに作用する際に、レニン、プロレニンレセプターである(プロ)レニン受容体を介する経路として、レニンによりミトコンドリア内の情報伝達分子のリン酸化が惹起されるか否について、p38MAP,Akt,ERK1/2の各々のkinaseにおいて検討した。レニン投与によりERK1/2リンの酸化は促進されたが、p38MAPとAktについてはリン酸化は変化を認めなかった。これらの結果から、レニンのミトコンドリアに対する直接作用の発現には、ERK1/2が関与している可能性が示唆された。次に、レニンのミトコンドリア機能に及ぼす効果におけるERK1/2の活性の関与について、ミトコンドリア内膜の膜電位を指標にして検討した。単離ミトコンドリアにレニンを投与するとミトコンドリア膜電位は過分極し、この変化はERK1/2の阻害剤により抑制された。以上より、レニンによるミトコンドリア膜電位に対する効果はERK1/2を介していることが明らかとなった。 我々は以前に、糖尿病ラットの灌流心では細胞内レニンの心筋保護効果により虚血時の心筋障害が少ないことを報告した。そこで、今回は糖尿病ラットの心臓をERK1/2の阻害剤で前処置することにより、糖尿病心筋の虚血耐性にERK1/2が関与しているか否かを検討した。ERK1/2阻害剤の前投与により、糖尿病灌流心の虚血時の心筋障害はコントロール群と比べて増悪した。これらの結果は、糖尿病心の虚血時には細胞内レニンの発現が増加し、ERK1/2を活性化することで心筋保護効果をきたしている可能性を示唆している。
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