心臓における自然炎症制御機構の解明とその心リモデリングにおける役割の検討
Project/Area Number |
15K09133
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Research Field |
Cardiovascular medicine
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
東邦 康智 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (10586481)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 陽一郎 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (40447397)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2016-03-31
|
Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2015)
|
Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2016: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2015: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
|
Keywords | 自然炎症 / 心リモデリング / 心不全 / NLRP3インフラマソーム / IκBζ / IL-1β / IL-6 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、心臓における自然炎症制御機構の解明とその心リモデリングにおける役割を検討した。 まず、心組織における炎症性サイトカインIL-1βの活性化にNLRP3インフラマソームと呼ばれるタンパク複合体が重要であることに着目し、NLRP3インフラマソームの活性化機構を検討した。我々は細胞実験により、心組織を構成する細胞におけるNLRP3インフラマソームの活性化に細胞外ATPが重要であることを明らかにした。また、動物実験により、交感神経系の物理的障害もしくは薬物学的抑制が圧負荷時の心臓における細胞外ATP濃度の上昇及びIL-1βの産生を抑制し、交感神経系の薬物学的刺激が細胞外ATP濃度を上昇させることが分かった。さらに、心臓からの求心性神経線維の障害により、圧負荷時の心臓における細胞外ATP濃度の上昇及びIL-1βの産生が抑制された。以上から、圧負荷時の心臓における自然炎症は心脳連関により制御されていることが明らかとなった。 次に我々は、自然炎症が心不全を誘導するメカニズムを解明するため、自然炎症の誘導に重要な役割を果たすNF-κBシステムの転写制御因子IκBζに着目した。野生型マウスとIκBζのヘテロノックアウトマウスに圧負荷を加えたところ、野生型マウスでは時間の経過とともに心不全が誘導されたが、IκBζヘテロノックアウトマウスでは心不全への移行は認められなかった。心組織における炎症性サイトカインの発現を評価すると、IL-1βとIL-6の発現パターンが異なっていた。以上から、IκBζは圧負荷時の心臓における炎症性サイトカインの発現パターンを制御し、心不全の誘導に重要な役割を果たすことが分かった。 本研究の成果により、心リモデリングにおける自然炎症の重要性及びその制御機構が明らかとなった。今後、自律神経系や転写制御因子を標的とした心不全の新たな治療法の開発につながるものと考えられる。
|
Report
(1 results)
Research Products
(3 results)