Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
E3ユビキチンリガーゼの1つであるNedd4は、エボラウイルスやマールブルグウイルス、ラッサウイルスといった、様々な高病原性ウイルスの出芽に関与している。しかし、その詳細なメカニズムは未だ不明な点が多い。Nedd4依存的なウイルス出芽機構を明らかにするため、Flagタグを付加したNedd4発現プラスミドを293T細胞にトランスフェクションし、免疫沈降法および質量分析法により、Nedd4と相互作用する宿主因子を網羅的に同定した。同定した因子の中から14の候補因子を選抜し、それぞれの因子に対するsiRNAを用いてその発現を抑制し、エボラウイルスのVLP産生に対する影響をウェスタンブロットにより解析した。その結果、候補因子のうち、KIFF11の発現を抑制した細胞では、エボラウイルスのVLP産生が大きく抑制された。KIF11の発現を抑制した細胞では、マールブルグウイルスやラッサウイルスについても同様に、VLP産生が抑制された。また、出芽にNedd4を利用することが報告されている、水胞性口炎ウイルスを用いて、ウイルス増殖に対する影響を調べた結果、本因子の発現を抑制した細胞では、わずかながら増殖抑制が認められた。さらに、KIF11の阻害剤存在下で同様の実験を行った結果、エボラやマールブルグ、ラッサウイルスVLPの産生、およびVSVの増殖が抑制された。これらの結果から、本因子は、高病原性ウイルスの出芽に関与することが示唆された。
All 2015
All Presentation (2 results)