神経細胞の個性を作り出す細胞種特異的遺伝子発現のゲノムレベルでの解析
Project/Area Number |
16011212
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
飯野 雄一 東京大学, 遺伝子実験施設, 助教授 (40192471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國友 博文 東京大学, 遺伝子実験施設, 助手 (20302812)
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Project Period (FY) |
2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2004: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
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Keywords | PABP / マイクロアレイ / 特異的遺伝子発現 / 神経系 / 細胞多様性 / ポリA結合蛋白質 / mRNA抽出 / Gene Ontology |
Research Abstract |
神経系は非常に多様な細胞種からなっており、それぞれの細胞の違いがどのような遺伝子発現の差異に基づくのかはゲノムの機能発現の観点から重要な問題である。近年のマイクロアレイ技術の出現により、ゲノムの全遺伝子の発現パターンを解析することが可能となった。しかし、上記の目的のためには、特定の細胞種からmRNAを取得する方法が必要である。線虫C.elegansの神経系は雌雄同体成虫で302個の神経細胞を持ち、これらは118種類の多様な細胞種からなると言われている。そこで上記の目的を達成するために、以下の方法を開発した。すべてのmRNAが持つポリAテールに結合する性質のあるポリA結合蛋白質(PABP)にタグを付加したものを、細胞特異的プロモーターを用いて目的とする細胞に発現させ、in vivoクロスリンクの後、タグに対する抗体を用いて蛋白質-RNA複合体を精製し、目的のmRNAを回収する。この方法を感覚神経の遺伝子発現解析に適用した。感覚神経特異的プロモーターでタグ付加PABPを発現させ、上記の方法で回収したmRNAをESTプロジェクトにより得られたcDNAを配列したマイクロアレイにハイブリダイズさせ、感覚神経特異的遺伝子を同定した。コントロールと比べてシグナル比の高いものから順に15遺伝子の発現パターンをGFPレポーターにより調べたところ、13遺伝子(87%)が確かに感覚神経に発現しており、ほぼ正しく感覚神経に発現する遺伝子が同定されていると考えられる。同定された遺伝子の多くは今回はじめて感覚神経特異的と同定されたものであった。また、線虫のゲノムにコードされる遺伝子全体に比較して線虫に特異的なものが多い傾向がみられた。また、上位にランクされる遺伝子にはchromatin関連、核酸結合などの性質を持つものが多い傾向があった。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)