RNA関連ゲノム研究の礎となるRNAオリゴマーの高効率合成法の開発
Project/Area Number |
16011223
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
早川 芳宏 名古屋大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (50022702)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚本 眞幸 名古屋大学, 大学院・情報科学研究科, 助手 (10362295)
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Project Period (FY) |
2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥4,900,000 (Direct Cost: ¥4,900,000)
Fiscal Year 2004: ¥4,900,000 (Direct Cost: ¥4,900,000)
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Keywords | ヌクレオチド / RNA / c-di-GMP / biofilm / 黄色ブドウ球菌 |
Research Abstract |
RNA関連小分子、環状ビス(3'→5')ジグアリル酸(c-di-GMP)の高効率合成を達成した。c-di-GMPは、セルロースの生合成を調節する機能、またMolt 4およびJurkat細胞内に取り込まれるとCD4レセプタ量を増加させ、細胞分裂を減少させる機能をもつ生体機能性天然核酸であるが、既知のもの以外にも、多くの有用な生体機能(生物活性)をもつと予測される物質である。したがって、本物質の未知生物機能の発見、同機能の発現機構の解明は、極めて重要な課題として、現在、医学、薬学、生物学などの分野の研究者を中心に、精力的に行われつつあるが、同研究を、多彩に、また精密に行うためには、c-di-GMPおよびその人工修飾体のグラム単位での大量供給が必要である。しかしながら、現在、この要望に十分応えられる合成法は皆無に等しい。すなわち、既存の化学合成法や酵素合成法では一度に10mg程度の標的化合物を合成することが限界であり、要望を満たすには、ほど遠い。これに対し、筆者らは、一度に1g程度の標的化合物の合成が可能である合成法、すなわち、上記要望に応え得る初めての合成法を開発した。さらに、米国Maryland大学のD.K.R.Karaolisらとの共同研究により、c-di-GMPが、大腸がんにおけるがん細胞の増殖を阻害することをin vitro実験によって、見いだした。また黄色ブドウ球菌のbiofilm生合成を調節・阻害することをin vitro実験およびマウスを使った動物実験によって発見した。なお、biofilmは、黄色ブドウ球菌に限らず、種々の病原菌がヒトに感染すると、同菌の細胞膜の外側にできるセルロース性のフィルムのことで、これが形成されると薬剤の細胞内への透過が困難になり、病原菌の薬剤に対する耐性が増す、すなわち細菌が薬剤耐性菌になると言われている。このため、本発見は耐性菌生成を抑止するための重大な発見との評価を受けている。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)