難聴遺伝子領域DFNA2に存在する新規病因遺伝子の同定の機能解析
Project/Area Number |
16012203
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
呉 繁夫 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (10205221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大浦 敏博 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (10176828)
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Project Period (FY) |
2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥5,200,000 (Direct Cost: ¥5,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥5,200,000)
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Keywords | 難聴 / 病因遺伝子 / 家系解析 / 遺伝子変異 / 欠失変異 / 不完全浸透 / イオンチャンネル / ハプロタイプ解析 |
Research Abstract |
遺伝性難聴は2,000〜4,000出生に一人の割合で認められ、ヒト遺伝病の中で最も頻度が高い疾患の一つと考えられる。申請者らは、優性遺伝を示す難聴家系を見出し、ゲノムワイドの連鎖解析から第1番染色体短腕(1p34)の難聴遺伝子領域DFNA2と一致する領域に有意の連鎖を認めた。DFNA2領域には、KCNQ4とGJB3の二つの難聴遺伝子がマップされているが、本家系に遺伝子変異は見出されなかった。本研究はこの領域から病因遺伝子を同定する事を目的とし、この領域に存在する多型マーカーによるハプロタイプ解析を行い、責任領域をさらに絞込んだ後、候補遺伝子を選定し、遺伝子変異スクリーニングを行った。この領域のハプロタイプ解析を行った結果、2箇所に組換えが認められ、MGC27466とGATA129H04の二つのマーカーに挟まれた2cMの範囲に責任遺伝子が存在する事が明らかになった。この2cMの領域には、約30個の遺伝子が存在し、内耳での発現があるものを優先し、遺伝子変異スクリーニングを行ったが、変異は見出せ無かった。最近、既知の難聴遺伝子であるKCNQ4遺伝子の5'領域に新たなエクソンが同定された。この新たな二つのエクソンの変異解析を行ったところ、最も5'側のエクソンに1塩基の欠失を認めた(211delC)。この結果、変異アレルからは137アミノ酸から成る短い蛋白質が出来る。変異蛋白質は膜貫通部位を欠き、イオンチャンネルとしては機能しないものと考えられる。家系解析を行うと、検索した10名の罹患者は全て211delCを持っていた。この他に、正常聴力の3名が211delCを持ち、この中の1人は、既に30歳を超えていた。現在までに報告さているKCNQ4難聴家系は全て完全浸透を示しており、初めて完全浸透を示さない事があることが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)