モデルマウスを用いた加齢性難聴原因遺伝子のポジショナルクローニング
Project/Area Number |
16012218
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
木南 凌 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (40133615)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 順 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (70323962)
藤澤 裕美 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (00324963)
小原 夕紀 新潟大学, 超域研究機構, 特別研究員 (90342922)
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Project Period (FY) |
2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
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Keywords | 加齢性難聴 / コンソミック系統 / Ahl3 / マッピング / 内耳有毛細胞の異常 |
Research Abstract |
老人性難聴すなわち加齢性難聴(AHL : age related hearing loss)は人類に最も多い慢性疾患の一つであり、遺伝的要因の存在が指摘されている。加齢と共に難聴を呈するマウス系統を利用し、連鎖解析により感受性遺伝子の単離を目標にした。 感受性系統であるB6マウスを遺伝的背景とし、抵抗性系統MSM由来の染色体を1組導入したコンソミック系統の解析から、17番染色体上にAhl3座の存在することが判明している。そこで、17番コンソミックマウス(ヘテロ型)とB6を交配し、17番染色体上の11のマーカー座と難聴の連鎖解析を行った。21頭のB6由来の17番染色体(B/B)を持つ個体、25頭のMSM由来(B/M)の17番染色体を持つ個体、43頭の17番染色体上の組み換え体が得られた。組み換え体のみ、6ヶ月齢と12ヶ月齢でABRで聴力を測定したところ、12ヶ月齢で各個体の聴力に明らかな相違がみられた。そこで、この時点での聴力閾値が45dB以下のAHL-陰性群(n=29)と、50dB以上のAHL-陽性群(n=14)にわけ、MapManagerを用いたQTLマッピングを行った。その結果、D17Mit119に連鎖のピークを示した。これはD17Mit119近傍にAHLに感受性(抵抗性)遺伝子の存在を示唆するものである。 走査電子顕微鏡で17番コンソミックマウスの内耳の形態を、MSM、B6、13番コンソミックマウスと比較、観察した。12ヶ月齢のB6と16ヶ月齢の13番コンソミックマウスでは聴毛の変形と有毛細胞の部分的脱落が観察されたが、16ヶ月齢のMSMと17番コンソミックマウスではこのような変化は観察されなかった。 以上より、新しい加齢性難聴感受性遺伝子(Ahl3)が17番染色体上のD17Mit119近傍に存在することを明らかにした。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)