疾患原因の探究のための偽遺伝子のゲノム資源としての活用
Project/Area Number |
16012254
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
広常 真治 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80337526)
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Project Period (FY) |
2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥5,200,000 (Direct Cost: ¥5,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥5,200,000)
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Keywords | 進化 / 転写後遺伝子調節 / 偽遺伝子 / nc-RNA / 中胚葉分化 / 細胞間接着・細胞極性 / 多発性嚢胞腎 |
Research Abstract |
偽遺伝子とは、他の遺伝子座の機能性遺伝子と配列構造がよく以ているが、機能を失ってしまった遺伝子のことで、がらくた(junk)遺伝子と言われ、DNAの進化のスピードを測る指標として利用される存在にすぎなかった。しかし、偽遺伝子の数は生物の進化と共に増加しており、ヒトのゲノムには20,000もの偽遺伝子が含まれていると言われているが、その生態的意義は未解明のままである。今回、我々は腎臓および骨に異常をきたしたトランスジェニックマウスを用いて(腎臓に多数の嚢胞を有する嚢胞腎疾患型マウス、骨変形マウス)、偽遺伝子が機能性遺伝子の発現調節を行っていることを見出した。また独自のアルゴリズムによる解析の結果ヒトはマウスに比べて約5倍の偽遺伝子の発現を認めることがわかった。また今回、偽遺伝子によって調節されているMakorin1はリングフィンガーモチーフをもった遺伝子でWntのシグナル伝達のカスケードに属するもので、ベーターカテニンやカドヘリンと結合し細胞間接着・細胞極性を制御していることが分かった。実際、変異マウスにおいては多くの組織においてカドヘリンが成熟できず、細胞の中に貯留している像が認められた。さらにMakorin1は種間を越えて保存されたGSK3やCasein kinase、Calmodulin kinase、Protein kinase Cのリン酸化部位も持っており、カルシウムのシグナルによって活性化されるWnt non-canonicalカスケードに位置する可能性も考えられる。アフリカツメガエルの受精卵を用いた研究から、Makorin1の過剰発現は二次の軸の誘導はあるもののベーターカテニンに比べて弱いこと、またMO-RNAを用いた機能抑制は原腸陥入を阻害することがわかった。
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Report
(1 results)
Research Products
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