Project/Area Number |
16013203
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
津田 雅孝 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (90172022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 裕二 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助教授 (30237531)
澤田 宏之 独立行政法人農業環境技術研究所, 生物環境安全部, 主任研究官 (40354055)
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Project Period (FY) |
2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥7,000,000 (Direct Cost: ¥7,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥7,000,000 (Direct Cost: ¥7,000,000)
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Keywords | セパシア菌 / ゲノム構造 / ゲノムショットガンシーケンス / 複数本染色体 / 染色体複製・分配 / 鉄レギュロン / カタボライト抑制 / 炭素源資化能 |
Research Abstract |
ヒトや動植物への病原性、植物病原菌駆除能、環境汚染物質も含む多様な有機化合物資化能をもつセパシア菌ATCC17616株では、ゲノムが3.4Mb,2.5Mb,0.9Mbの3種環状染色体から構成され、生育環境変動により各染色体が大規模な再編成を示す結果、新規形質を容易に獲得する。各染色体の構成原理と構造的動態、そして多様化と染色体進化を司る分子機構の実験的提示をめざし、以下の成果を得た。 1.本株ゲノムのrandom shotgunシーケンシングを約10万リード、冗長度8倍で実施し、53のメージャーコンティグを得た。この中に、基本的生命活動に必須な多くの遺伝子とともに、動植物に対する病原因子の遺伝子、炭素源となりうる各種芳香族化合物分解遺伝子等を見出した。 2.2.5Mbと0.9Mb染色体の複製・分配関連遺伝子領域は、いずれもプラスミド型のrepA-parB-parAという遺伝子構造を持っていた。repA上流とparA下流には、それぞれ各染色体の複製起点並びに分配にシスに働くと想定される特徴的な繰り返し配列が存在していた。 3.高鉄濃度で活性型になる鉄レギュロンの統括的制御因子Furの突然変異体では、活性酸素種への感受性増大の他、最低16種の多様な化合物の分解資化能の消失、活性窒素である亜硝酸イオンへの嫌気条件での感受性の増大を見出した。一方、高鉄濃度で転写量が増大する2種の炭素源分解遺伝子を見出した。また、上記のコンティグのin silico解析から、Furが結合する塩基配列がゲノム上に最低29コピー存在することが示唆された。 4.近隣細菌株由来でカタボライト抑制を受けるビフェニル分解遺伝子プロモーターを用いることで、本ATCC17616株にはガラクトースやブドウ糖によるカタボライト抑制が存在し、本抑制には2成分シグナル伝達系が関与することが示唆された。
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