Project/Area Number |
16013211
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大坪 栄一 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 名誉教授 (10158800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大坪 久子 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 講師 (20158801)
土本 卓 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (60212057)
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Project Period (FY) |
2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥6,300,000 (Direct Cost: ¥6,300,000)
Fiscal Year 2004: ¥6,300,000 (Direct Cost: ¥6,300,000)
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Keywords | 挿入因子 / ゲノム再編 / 赤痢菌O157 / 古細菌 / 大腸菌 / 変異 / 病原性大腸菌 / Shiga毒素 |
Research Abstract |
近年の各種ゲノムの全塩基配列の決定は、遺伝子の同定と機能解析を促したが、遺伝子以外の領域の解析はなされていないという状況下で、本研究は、種々の大腸菌と近縁とされる赤痢菌ゲノムの再編による変異を同定し、これらの変異の有無をパターン化し系統の近縁関係を解析し、病原性大腸菌の由来、及び、赤痢菌との系統関係を明らかにすることを目的としたものである。 これまでに、大腸菌K-12 MG1655株を基にして、O157:H7を含むいくつかの標準大腸菌ゲノムの0-10分に相当する領域(約465kb)を、各株全ゲノムDNAを鋳型に5kbの間隔でPCRで解析し、大きさの異なるPCR産物の塩基配列を決定し、挿入、欠失、置換などのゲノム再編成による変異を同定した。また、菌株間に共通の変異を多数検出し、系統の分類と関係を知る上での有用な多数のマーカーを同定した。さらに我々は、感染研から分与された合計68種のEnterohemorragic, Shiga-toxigenic, Enteroinvasive, Enterotoxigenic, Enteropathogenic, Uropathogenic大腸菌と赤痢菌(S.flexineri, S.sonnei)のゲノム上の有用マーカー変異の有無を解析し、この結果に基づいて系統樹を作成することによって、大腸菌が異なるいくつかのクラスターを成すこと、その中でO157数株は1つのクラスターに、しかし、Shiga-toxigenic大腸菌は少なくとも3つのクラスターに分かれることを示唆する結果を得た。このことは、医学的分類が必ずしも生物学的分類とは一致しないことを示すが、病原のShiga毒素がファージ等によって水平移動することを考えれば驚くことではなく、本方法で生物学的に真の分類と系統の関係が解明できたことを意味する。また、S.fliexneri3系統が大腸菌の種々のクラスター内の特異的な1群であることを示すことができた。
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