ミヤコグサ根粒菌ゲノムの多様性・可塑性の解析に基づく共生システム分子基盤の解明
Project/Area Number |
16013225
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
佐伯 和彦 奈良女子大学, 理学部, 教授 (40201511)
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Project Period (FY) |
2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
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Keywords | ミヤコグサ / 根粒菌 / 遺伝子水平移動 / nod遺伝子 / 分泌系 |
Research Abstract |
ミヤコグサと共生する根粒菌の菌株間の差異に注目し、共生アイランドの構造上の相違と機能上の相違の相関、アイランド外のゲノム領域の共生における意義を調べるために、以下の実験を行った。1)ミヤコグサ根粒菌の菌株比較:4種の宿主を用いて、国内外でミヤコグサと近縁種の根粒から単離された15菌株について、共生アイランドに特異的な構造と宿主域を検定した。国内の6株はどれもTypeIIIタンパク質分泌装置、ニュージーランドや北米の9株はいずれもTypeIV装置の遺伝子群を持つと見積もられた。国内の6株はいずれもL.japonicusともL.corniculatusとも共生したが,ミヤコグサ近縁種Lotus pedunculatusには根粒を形成しても共生不能で、木本のマメ科植物ギンネムLeucaena leucocephalaには根粒形成しなかった。一方、ニュージーランドと北米で単離の9株はいずれもL.pedunculatusとL.leucocephalaに根粒を形成したが、両者に共生可能なものは4株で、残り5株は窒素固定不能であった。分泌系との関連は現在検証中である。2)共生アイランド水平移動モデル化に向けたリコンビナーゼ系の開発:インテグラーゼ・ファミリーに属する配列特異的なリコンビナーゼの標的配列(FRTやRS)をsingle-crossoverによりゲノムに組込む方法を確立した。3)ミヤコグサに早期老化根粒を形成するインゲン根粒菌の異種相補実験:インゲン根粒菌株Rhizobium etli CE3株は、M.lotiと同じNod因子を産生し、ミヤコグサと不完全な共生を行う。整列化コスミドクローンとその派生物を個々別々に導入した結果、R.etliとミヤコグサの共生を部分的に高めるクローンを13得てきた。アセチレン還元法によりニトロゲナーゼ活性測定を行った結果、コスミド非導入株では感染2週間後にほぼ活性を失うのに対し、これらクローン導入株ではより窒素固定活性が長期にわたり保持されていた。さらに、共生能の向上は根粒数の持続的増加による量的なものと根粒数の変わらぬ質的なものの2種に分別された。個別責任遺伝子の同定と効果の加算性を検討しつつある。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)