CpGマイクロアレイを用いたヒストン修飾と遺伝子発現に関する研究
Project/Area Number |
16013238
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山本 健 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (60274528)
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Project Period (FY) |
2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥5,600,000 (Direct Cost: ¥5,600,000)
Fiscal Year 2004: ¥5,600,000 (Direct Cost: ¥5,600,000)
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Keywords | ヒストン / ヌクレオソーム / 遺伝子発現 / CpGマイクロアレイ / メチル化 / アセチル化 |
Research Abstract |
遺伝子の転写制御にはクロマチン構造の変化が伴い、それをもたらす分子機序の一つは、ヌクレオソームヒストンの化学的修飾である。細胞機能発現における転写制御ネットワークの複雑性に鑑みれば、ヌクレオソームヒストンのいくつかの修飾と遺伝子発現との関連を包括的に解析する研究が重要である。本研究では、ヒトのCpGマイクロアレイを作製し、これを用いてH3-K9がメチル化を受けた遺伝子を網羅的に同定し発現との関連を解析した上で、さらにこれらの遺伝子についてヒストンH3,H4のアセチル化を検討することによって、2つの代表的なヒストン修飾と発現についての関連を解明する。 Hela細胞をMNaseによって部分消化し得られた核抽出液より、GST-HP1およびメチル化H3-K9との結合能を欠くGST-HP1CDmut(コントロール)を用いて、メチル化H3-K9を有するオリゴヌクレオソームを精製した。これよりゲノムDNA断片を抽出し、CpGマイクロアレイのプローブとして用いた。アレイ解析の結果、92個の遺伝子領域を同定した。これらの遺伝子発現を検討したところ、60個の遺伝子において明らかな発現を認めた。これまでH3-K9のメチル化は発現抑制をもたらすと考えられていたが、必ずしもそうではないことが示された。一方、これら92個の遺伝子において遺伝子発現を正に制御するH3,H4のアセチル化について解析したところ、発現を認めた約8割の遺伝子においてアセチル化を受けていた。一方、発現を認めない遺伝子においてはアセチル化を認めなかった。 以上のことから、1)H3-K9のメチル化と転写抑制との相関は認められない。2)H3、H4のアセチル化と遺伝子発現には従来知られていたような関連が認められる。3)遺伝子発現においてH3、H4のアセチル化はH3のメチル化に対して優位に機能する、ことなどが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)