Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
Background:近年、バクテリアに於いて、蛋白の細胞内局在を観察する事に依り、此れ迄バクテリアには存在しないと考えられていた細胞骨格が発見されたり、DNA複製の「"factory"モデル」を支持する観察結果、即ち、複製装置は細胞中央に留まっており、複製された染色体が細胞両極へ移動していると解釈出来る検鏡像が得られたりする等、バクテリアのサイズの小ささと可視光線の分解能の限界故に詳らかにされなかったバクテリアの細胞内部の事象が明らかになって来ている。Working hypothesis:私達は、大腸菌(W3110株)の全ORF(4,388)と蛍光蛋白(GFP)遺伝子の融合遺伝子を発現させるプラスミドのライブラリー("Archive clone library")(奈良先端科学技術大学院大学・森浩禎博士より分与)を用いて、大腸菌全蛋白の細胞内局在を網羅的に観察する事に依り、(1)大腸菌全蛋白を細胞内局在性に基付いて分類し、(2)既に機能が知られている蛋白の細胞内極在性から、≪蛋白の細胞内局在性と機能の相関≫を見出し、更に、此の≪相関≫に基付いて、(3)今だ機能未知の遺伝子(所謂"y-gene")産物の細胞内局在性から、其の機能を推定する事を目指している。New insight:本研究の遂行に依り、バクテリアの細胞内に於いて、蛋白が機能を発揮する≪時≫と≪場≫を知る事が可能になると共に、"y-gene"の機能を推定し、此れを検証する事が可能になると思われる。Results & Discussion:非強制発現条件下に於いて蛍光が検出された蛋白は、細胞内全体、核様体、膜、膜と細胞内全体、膜と輝点、輝点、リング(繊維状)、核様体と輝点に分類された。又、≪蛋白の細胞内局在性と機能の相関≫としては、輝点には、1.所謂"replication factory"と呼ばれる、DNA複製装置の局在に似た局在[細胞中央や"cell quarter positions"(細胞長の1/4と3/4の位置)に局在する]を示す蛋白が、2.細胞内に於いて多数の輝点を形成している蛋白としては転写に関連する蛋白が、3.細胞の両極に弧状の輝点を形成している蛋白としては膜成分の合成酵素が存在していた。更に、此れ等≪細胞内局在性と機能の相関≫が見出された蛋白の46種類に就いて、短い相同配列間で起こる組換えを利用したWanner法を用い、夫々のstop condonをgfp遺伝子に置き換え、染色体上から発現されたGFP融合蛋白の細胞内局在を観察し、夫々の細胞内局在性を≪確証≫した。
All 2004 2001
All Journal Article (2 results) Patent(Industrial Property Rights) (1 results)
J.Biol.Chem. 279
Pages: 45546-45555
Adv.Biophys. 38
Pages: 3-20