アルツハイマー病モデル動物脳を用いた脳病変進展過程の検討
Project/Area Number |
16015101
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
山口 晴保 群馬大学, 医学部, 教授 (00158114)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 惇 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (80225862)
佐藤 久美子 群馬大学, 医学部, 教授 (80008268)
森 隆 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (60239605)
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Project Period (FY) |
2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥4,900,000 (Direct Cost: ¥4,900,000)
Fiscal Year 2004: ¥4,900,000 (Direct Cost: ¥4,900,000)
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Keywords | 神経科学 / 脳神経疾患 / 痴呆 / アルツハイマー病 / アミロイド |
Research Abstract |
アルツハイマー病脳に沈着するβタンパクのN末端特異モノクローナル抗体を開発した。この抗体は特異性に優れ、また、全長型βタンパク前駆体とも反応しないため、この抗体を用いた脳アミロイド沈着に対する受動免疫療法を検討した。 アルツハイマー病で見つかったヒトのβタンパク蛋白前駆体遺伝子変異を組み込み、高齢になると脳βアミロイド沈着を来すTg2576トランスジェニックマウスに、16か月齢から毎週1回で3か月間、この抗体を腹腔内投与した。すると、βタンパク免疫染色で、老人斑の数と分布領域が投与群で有意に減少していた。大脳基底核のように16か月以降に老人斑が出現する領域で、老人斑の新生がみられなかった。さらに、画像解析を行うとやはり投与群で老人斑の占める面積が有意に減少していた。また脳の不溶性βタンパク定量をギ酸で抽出してELISA法で測定すると、Aβ42とAβ40が有意に減少していた。この結果、βタンパクN末端に対する抗体を用いた受動免疫が、新たな脳βアミロイド沈着を防ぐ効果が示された。 また、血液中のβタンパクを測定できるELISAシステムを開発したので、血清と血漿を用いてアルツハイマー病の診断が可能かどうか、アルツハイマー型痴呆群、軽度認知機能障害群、健常高齢者群、若年正常者群でβタンパク値を測定したが、各群間に有意差は認められず、診断への応用は難しかった。 共同研究者の森は、トランスジェニックマウスの飼育を担当したほか、アポリポ蛋白E(apoE4)アイソフォーム特異的脳損傷増悪病変の病理発生と治療の可能性に関して、S100産生阻害を介してアストロサイト(AC)活性化を抑制する薬剤(Arundic acid)による効果をapoEノックイン(KI)マウスを用いて検討した。その結果、脳虚血負荷後5日目の脳損傷の程度は全KIマウスで改善され、その効果は4/4KIマウスで最も優っていた。また、4/4KIマウス特異的な遷延性脳梗塞巣拡大も抑制された。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)