脳の発生過程における神経幹細胞の増殖と分化を制御する分子メカニズムの解明
Project/Area Number |
16015205
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大隅 典子 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00220343)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 将文 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (20361074)
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Project Period (FY) |
2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
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Keywords | 哺乳類 / 脳原基 / Pax6 / マイクロアレイ解析 / タイムラプス解析 / Pax6変異ラット / FABP7 / 神経上皮細胞 |
Research Abstract |
1)神経上皮細胞の挙動のイメージング解析 神経上皮細胞は細胞周期に伴い非常にダイナミックな動態を示す。すなわち、基底膜側と脳室側を結ぶ細長い細胞質を細胞核がエレベーターのように往復し、先端側すなわち神経管の内側に到達したときに分裂期に入り、そこで2つの娘細胞に分裂する。神経上皮細胞の核はこのエレベーター運動を繰り返しながら、幹細胞としての性質を保持すると同時に、より分化した神経前駆細胞や神経細胞を生じる。そこで細胞分裂と分化の様相をタイムラプス観察するためのシステムを、蛍光顕微鏡および2光子顕微鏡を用いて確立した。このシステムを用いて菱脳および脊髄神経上皮細胞の挙動を観察した結果、神経上皮細胞から微細な突起が出たり引っ込んだりしているという様相が初めて認められた。また、終脳神経上皮細胞を観察した結果、Pax6変異ラットではエレベーター運動の異常と中心体の挙動の異常が見られた。 2)神経幹細胞の増殖と分化を統合する分子機構の網羅的解析 野生型脳とPax6遺伝子変異動物脳で発現する遺伝子のプロファイルをマイクロアレイ法を用いて比較し、定量RT-PCRおよびin situハイブリダイゼーション法により発現様式を確認することにより、Pax6の下流遺伝子として脂肪酸結合タンパク質をコードするFabp7を見いだした。電気穿孔法による遺伝子導入を行い、RNA干渉法(siRNA法)によるFABP7の機能阻害を行ったところ、神経上皮の形態が異常になり、細胞増殖の減少とニューロン分化の亢進が認められた。したがって、Pax6はFABP7を介し、神経上皮細胞の性質の維持に深く関わることが示された。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)