歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症モデルマウスにおける脳萎縮の病態解明
Project/Area Number |
16015241
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
山田 光則 新潟大学, 脳研究所, 助教授 (30240039)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 均 新潟大学, 脳研究所, 教授 (90206839)
|
Project Period (FY) |
2004
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
|
Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
|
Keywords | ポリグルタミン病 / 脳萎縮 / モデルマウス / 細胞計測 |
Research Abstract |
歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)における「小造り脳」の病態を明らかにする目的から、DRPLAモデルマウス(Hum Mol Genet,1999)について、脳の病理形態学的解析を行った。CAGリピート数129のDRPLAマウス(生後14〜15週齢)を灌流固定し、脳組織をゴルジ染色した後、神経細胞の細胞計測学的検討を行った。また、大脳皮質、延髄錐体路を超微形態学的に解析した。マウスは若年型DRPLAに類似の表現型を呈し、生後16週までに痙攣重積状態となり全例が死亡した。生後、脳は進行性の萎縮を呈し、12週齢マウスの脳重は正常の77.5%になった。14週齢における大脳割面の面積比較では、正常対象の72.3%にまで萎縮した。組織学的にいずれの部位にも神経細胞脱落は認められなかったが、脳実質のneuropilが次第に狭小化した。伸長ポリグルタミン鎖を含む変異蛋白質の蓄積が、中枢神経系の広範な領域における神経細胞核に生じ、核内封入体も形成された。大脳皮質第5層の錐体神経細胞の胞体面積は正常の81.3%に萎縮、樹状突起も細く(77.2%)、樹状突起棘(スパイン)が減少(58%)していた。また、軸索終末の面積は84.5%に、シナプス後領域のpostsynaptic densityの長さは、88.2%となっていた。さらに、軸索径が92.1%に萎縮していた。しかしながら、樹状突起の分枝数に有意差は認められなかつた。 DRPLAマウスにおける進行性の脳萎縮は、個々の神経細胞(胞体、樹状突起など)の萎縮が重要な要素となっていると推察される。今回の観察から、シナプス数も減少している可能性が示唆されたが、その原因が神経細胞の萎縮に起因するのか、痙攣等の臨床症状に関連するのか、今後の検討課題である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)