Project/Area Number |
16015261
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
下濱 俊 京都大学, 医学研究科, 助教授 (60235687)
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Project Period (FY) |
2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
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Keywords | アルツハイマー病 / プレセニリン / N-カドヘリン / シナプス / グルタミン酸 / α-セクレターゼ / ベータカテニン / 遺伝子転写 |
Research Abstract |
アルツハイマー病における認知機能低下の度合いは、シナプス脱落の程度と最もよく相関する。シナプス結合に必須の細胞間接着分子であるN-カドヘリンは、近年早期発症型家族性アルツハイマー病の原因遺伝子であるプレセニリン1(以下PS1)によって細胞膜直下での切断を受けることが示された。我々はアルツハイマー病におけるN-カドヘリン代謝の変化を検討することでシナプス脱落のメカニズムに迫れるのではないかと考えて研究を進め、PS1にはN-カドヘリンの膜輸送と成熟化を促進する活性があることを報告した。本研究では、1)N-カドヘリン切断に関わるシグナル伝達、2)N-カドヘリンが切断された結果起こるシグナル伝達、について検討した。 神経芽細胞腫の培養細胞株であるSH-SY5Y細胞にグルタミン酸を処置すると、N-カドヘリンは切断を受けた。この切断は、BAPTA-AM、MK801投与により阻害されたため、NMDA受容体を介したカルシウム流入をトリガーとして行われていると考えられた。次に、この切断の細胞内シグナル伝達に与える影響を解明する目的で、テトラサイクリン負荷により、N-カドヘリン切断端を発現する細胞株を作製した。その結果、切断端は核移行し、その際に著明なbeta-cateninの蛋白量増加と核への移行を伴っていることが判明した。beta-catenin蛋白量の増大には、同蛋白の転写亢進が背景にあることがRT-PCRを用いた解析で判明した。これらのことから、N-カドヘリンはNMDA受容体刺激により切断され、切断端は核移行し、核内の遺伝子転写を介してwntシグナルを促進性に調節している可能性が示唆された。
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