Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2004: ¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
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Research Abstract |
本研究の第1の目標は,神経生理学実験によって得られたスパイク時系列パターンの特性を分析し,そのスパイク列を発生した神経細胞の種類や,細胞がおかれている層,などに関する情報を抽出することであり,第2の目標は,脳切片スライスでの細胞通電実験をおこない,その実験データに照らし合わせて神経細胞のスパイク発生条件を数学的に決定することである.研究はその2つの目標共にきわめて順調に進行し,下記の文献などの成果が得られつつある.新しく提案した局所変動係数Lvという指標にて神経スパイク時系列を解析し,皮質領野に応じて,さらに同一領野内にても細胞層に応じてスパイク特性が異なるということを見いだした.特に現在,側頭葉の細胞活動の麻酔下計測,細胞層に関する推定根拠を有するデータの提供を受け,その分析を行った結果,スパイク特性の異なる2種の神経細胞群は皮質II-III層に分かれて局在していることが明らかになった(論文印刷中).経験ベイズ法などを用いた理論解析ツールの開発も進行中である(論文準備中).これまでのところ,領野を変えるたびにLv分布が異なるといった具合で,いまだ全貌がつかめない.そこで大々的にデータを収集してスパイク特性脳地図を作成するプロジェクトを立ち上げた.また第2の目標である,脳切片スライスでの細胞通電実験も順調にデータが蓄積され,現在ではこれまでより簡明でなおかつ再現,推定能力の高い準線形モデルを構築している.
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