アミロイドβペプチドの蓄積を抑制するβセクレターゼ阻害剤の合成研究
Project/Area Number |
16015266
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
玉村 啓和 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (80217182)
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Project Period (FY) |
2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
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Keywords | アルツハイマー病 / αセクレターゼ活性 / βセクレターゼ阻害剤 / PK-C活性化剤 / アミロイドβペプチド / ジアシルグリセロール / γ-lactone / protein kinase C |
Research Abstract |
アルツハイマー病治療薬の開発を目指して、以前から(1)βセクレターゼ阻害剤の創製研究、および最近(2)αセクレターゼ活性の増強を目指したPK-C活性化剤の創製研究を行っている。アルツハイマー病の老人斑の主成分であるアミロイドβペプチド(Aβ)は、アミロイド前駆体蛋白質(APP)がβセクレターゼ、およびγセクレターゼによって切断されて生じるペプチドである。(1)我々は、エイズの臨床で成功を収めた種々のHIV protease阻害剤に導入されている「hydroxyethylamine型のジペプチドイソスター(HDI)」を含む最初のβセクレターゼ阻害剤TK-3を見い出している。今年度、TK-3を基にした構造活性相関研究を精力的に行い、医薬品としてのプロフィールが向上するように低分子化と高活性化を目指した。具体的には、大きく分けて3つの部位、P1,P3位の疎水性ポケット、P1'位の側鎖の方向、P2'-P4'位の配列、をターゲットとして修飾した。結果として、分子シミュレーションを利用した構造活性相関により、次なる化合物変換のための重要な情報を得た。(2)また、APPはβセクレターゼで切断されずに、αセクレターゼ、および、γセクレターゼによって切断されると無害なp3断片を生じる。最近protein kinase C (PK-C)のアゴニストが、Appのα切断を増強し、結果的にAβの生成を抑制することが報告されたことにより、我々はαセクレターゼ活性を増強するようなPK-C活性化剤の創製も行った。我々は最近、構造固定化テンプレート(γ-lactone)を用いてPK-Cの内因性アゴニストであるジアシルグリセロール(DAG)を環化することにより、PK-Cの強力なアゴニスト(DAG-lactone)を合成した。今年度、本化合物のテンプレートの最適化、およびPK-Cとの結合様式の解明等の実験を行った。結果として、腫瘍プロモーターとして知られるphorbol esterに匹敵するPK-C結合活性を有するDAG-lactone誘導体を得ることに成功しており、現在αセクレターゼ活性に与える影響等を、杉本八郎教授との共同研究により進めている。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)