発達過程における神経細胞K^+チャネルの密度と性質の調節機構に関する研究
Project/Area Number |
16015268
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宋 文杰 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90216573)
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Project Period (FY) |
2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥5,300,000 (Direct Cost: ¥5,300,000)
Fiscal Year 2004: ¥5,300,000 (Direct Cost: ¥5,300,000)
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Keywords | potassium channels / transcription / current density / regulation / translation / cholinergic interneuron / striatum |
Research Abstract |
神経細胞の発火パタンはその細胞の持っているイオンチャネルによって決定される。チャネルの機能を決定する因子はチャネルの密度と性質であるが、神経細胞はどのようにこれらの因子を調節して正常な機能を実現しているのかは明らかになっていない。本研究代表者らは、線条体コリン作動性ニューロンをモデルに、K+チャネルの密度と性質が発達過程において調節される機構について調べてきた。今回は遅延整流性電流についてその性質とそれをコードする候補遺伝子、及び電流とmRNAレベルの生後発達を調べた。線条体スライスにおいて、TEAの投与でコリン作動性ニューロンの発火パタンが変化し、遅延整流性電流がコリン作動性ニューロンの発火パタンに重要な働きをしていることが分かった。急性単離したコリンニューロンを用いて、遅延整流性電流の発達を、出生から生後2ヶ月までの間で調べたところ、出生時には低レベルの電流しか認められなかったが、それが生後3週令の間で単調増加し、その後一定のレベルに留まった。単離細胞を用いたTEAに対する感受性を調べたところ、異なる感受性を持つ電流の存在が示唆された。そこで、チャネルをコードする候補遺伝子を単一細胞RT-PCR法で調べた。その結果、すべてのコリン作動性細胞がKv1.1を、80%の細胞がKv1.2を、そして25%の細胞がKv2.1を発現することが分かった。また、kv3.1とKv3.2の発現が認められなかった。よって、コリンニューロンの遅延整流性電流をコードする主な候補遺伝子はKv1であることが示唆された。Kv1.1とKv1.2の発現の生後発達を調べたところ、Kv1.1が出生時に半分の細胞に見られるに対して、Kv1.2mRNAが生後2週令に初めて検出された。これらのことから、コリン作動性細胞の遅延整流性電流の電位依存性と薬理学的な多様性はチャネル遺伝子の発現の多様性によることが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)